第84話

Flower80 【阿部②】
749
2021/03/25 08:27
バタバタバタバタ・・・。
廊下を走る音がして、それはこちらに向かってきているようで、視線をあげればマネージャーが息を切らしてやってくるところだった。
(マネージャー)阿部くん、やっと見つけたよ
阿部亮平
阿部亮平
俺を探してたんですか?
(マネージャー)そう・・・なんだ。

息を整えながら、そう応える。
阿部亮平
阿部亮平
どうかしたんですか?
(マネージャー)来週の予定で、・・・変更があって。
阿部亮平
阿部亮平
変更、ですか?
(マネージャー)そう。水曜日の夕方って仕事入ってなかったと思うんだけど、何か予定入れちゃった?
阿部亮平
阿部亮平
いえ、まだ。
(マネージャー)それならよかった。佐久間くんのラジオに目黒くんと出てもらいたいんだけど。
阿部亮平
阿部亮平
佐久間のラジオですか・・・。
俺なら大丈夫ですけど。
(マネージャー)よかった。じゃあ、収録時間は後で連絡するから(^-^)
阿部亮平
阿部亮平
分かりました(^-^)
そんな俺たちの会話を聞いていたふっかが不満げに問いかけてきた。
深澤辰哉
深澤辰哉
ねぇねぇ、なんで俺には言ってくれないの?(。¬д¬。)俺もラジオに出たい(*゚ε´*)
(マネージャー)深澤くん、そんなこと言って(;^_^A
来週の水曜日の夕方は、河合くんのラジオに出ることになってるでしょ?
深澤辰哉
深澤辰哉
あっ・・・そうだったΣ⊙▃⊙川
阿部亮平
阿部亮平
本気で忘れてたの?(^ω^;)
(マネージャー)深澤くんもこの後出ることになるから・・・。じゃあ、レコーディング頑張ってね。


マネージャーは言いたいことだけ言うと、慌ただしく入口へと向かって行った。
阿部亮平
阿部亮平
来週か・・・。
俺の呟きに、ふっかは笑って言う。
深澤辰哉
深澤辰哉
早速、彼女と仕事できるじゃん。
よかったね(*'▽'*)♪
阿部亮平
阿部亮平
よかったって・・・
深澤辰哉
深澤辰哉
気になってること、消化するチャンスじゃん。
阿部亮平
阿部亮平
まあね(^-^)
深澤辰哉
深澤辰哉
また、阿部ちゃんの感想聞かせてね。

じゃあ、戻ろうか?
そろそろ俺たちも時間かもしれないし。



控え室に戻って少しして、ふっかたちはレコーディングへと入った。
それを見送りながら、俺はふっかに感謝した。
阿部亮平
阿部亮平
(ふっかと話せてよかった(^-^))
そう思いながら、俺はめめに声を掛けた。
阿部亮平
阿部亮平
めめ
目黒蓮
目黒蓮
あっ、阿部ちゃん
阿部亮平
阿部亮平
レコーディング、お疲れ
目黒蓮
目黒蓮
うっす。

あっ、そういえば、さっきマネージャーに会って来週の話聞いて・・・
阿部亮平
阿部亮平
あぁ、俺もさっきそれ聞いたんだ。
目黒蓮
目黒蓮
そうなんだ。
佐久間くん、張り切ってるもんね、楽しみだなぁ。
ラウール
ラウール
なんの話し?
俺とめめの話にひょっこりと覗き込むように問いかけてきたのは、ラウ。
阿部亮平
阿部亮平
あっ、ラウール。お疲れ
ラウール
ラウール
うん(^-^)

で、なに、なに?
なんの話ししてたの?
目黒蓮
目黒蓮
今度佐久間くんのラジオに出ることになったから、その話。
ラウール
ラウール
いいなぁ、僕も出たいジタ⊂( っξ*´ω`)ξっバタ
目黒蓮
目黒蓮
子供みたいだなぁ
机に突っ伏し、ジタバタするラウールの頭をめめが優しく撫でる。
そんなやり取りに、周りが気が付かない訳もなく、気がつけば、こーじも、照も、舘様も俺たちの元へとやってきた。
向井康二
向井康二
何してるん?
岩本照
岩本照
どうしたんだ?
宮舘涼太
宮舘涼太
何かあったのか?
阿部亮平
阿部亮平
あぁ、何かって程のことはないんだけど(;^_^A
向井康二
向井康二
ラウール、なんかあったん?
目黒蓮
目黒蓮
ただ・・・駄々をこねてるだけだよ(^ω^;)
みんなの視線がラウへと集まる。
岩本照
岩本照
それで、なんで駄々をこねてるんだ?
阿部亮平
阿部亮平
俺とめめが佐久間のラジオに出ることになったって話したら、こうなった(^^;;
宮舘涼太
宮舘涼太
なるほどな
向井康二
向井康二
ラウール、そんな落ち込まんでも俺らもそのうち出られるやん。
ラウール
ラウール
だってー(´;ω;`)

僕もあなたの下の名前ちゃんとラジオしたい( ・᷄ ︵・᷅ )
唇をとがらせながらそう口にしたラウールは、本当に幼子のようだった。
向井康二
向井康二
前から思っとったけど、ほんまにラウールは彼女がお気に入りなんやなぁ。
テーブルを挟むようにしゃがみ込んだこーじが、ラウールと視線を合わせてそう告げた。
ラウール
ラウール
こーじくん(◞‸◟ㆀ)
向井康二
向井康二
なんや、ラウール、マジ凹みやん、それ(・□・;)
・・・あっ、そうや。いいもんあるんやった。
ラウールの落ち込みようを見かねたこーじは自分のバックをガサガサとし始め・・・。
そして、厚みのある封筒を取り出した。
向井康二
向井康二
ラウール、これ、この前の写真出来たんや。
見てみー。
ラウール
ラウール
えっ?ほんと♡( ᵕ̤ૢᴗᵕ̤ૢ )♡
見る見る!!
満面の笑みを浮かべ、目の前に並べられる写真を手に取るラウに引き寄せられるように、俺たちも写真へと目を向ける。

こーじの写真の腕はメンバー内でも定評があるほどで、テーブルに並べられた写真はどれも、驚く程に良い出来栄えのものばかりだった。
岩本照
岩本照
いつ見ても、こーじの写真はよく撮れてるな。
向井康二
向井康二
照兄、ありがと(*´﹀`*)✨
阿部亮平
阿部亮平
本当だね、躍動感があるよ
宮舘涼太
宮舘涼太
被写体もいいのかもな。

こんなにラウールを撮れる機会もそうはないだろうし。
向井康二
向井康二
そうなんよ~。
この日は、天気もよかったし、ラウールとあなたの名字さんの自然な感じのやりとりがまた良くて・・・。
シャッター、切り放題よね(๑•ᴗ•๑)♡
こーじの言葉にみんなに笑みがこぼれた頃。
めめが数枚の写真を手に取るのが、俺の目に止まった。
視線をあげれば、写真を見ながら幸せそうに微笑むめめが居て、その理由に惹かれた俺はめめに問いかけ、手元を覗き込んだ。

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