そう確認を取り、ネジを回す。
何回転か回したところで音楽が流れ出した。
なんの曲かは分からないけど、なんか、凄く良い感じで言葉で表せない。
などと駄弁っていると視界に少し光が灯る。
そこで音楽が止まる。少ししかネジを回していないから、流れるのも少しだけだったようだ。
彰人がオルゴールをまた再生すると、更に天井に亀裂が入った。
天井の破片がどんどん私達のいるところへ落ちてくる。結構大きいし当たったらまずい。
でもここから脱出するためにはこうするしかない…?
天井だったものたちは、大きな音を立てて落ちてくる。私達はオルゴールを流しながら、それをちょっと離れたところから見ていた。
突然のあなたとの再会に驚きつつも、和やかにお喋りとか、宮女の他のみんなはどこにいるかとか、そういう事を話す余裕はない。
だって、
天井だけじゃない、なんか黒板みたいなのとか、アンプとか、ピアノとか…更に人まで落ちてき始めたのだ。
もう、どうしたら良いのか分かんなかったけど、落ちてくる人の中には見覚えのある人もいたような気がした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!