人が落ちてきた。
元々ここにいた神高のみんなによると、オルゴールを鳴らしていたら天井が崩れ始め、そこから宮女の子達が落ちてきたそう。
そしてオルゴールを鳴らしていた頃、宮女組は演奏をしていて。
一通り情報をまとめ、推測をしているところだ。幸い、宮女のみんなは怪我もなく無事に着地したし。まずそれが不思議ではあるけど…あんな高いところから落ちたら怪我をするはずなんだけど。でもここは異次元みたいなところだし、細かいことを考えるだけ無駄か。
名前呼びされたことに一瞬驚くが、ちゃんと質問には答える。
別の場所、というのは私がスマホの光によって転送された(?)あの何もない場所のこと。
ミクの言う通り、あそこは私のセカイだったのかな。でも何もなかったし…私には想いがないみたいな、そういうこと?
欲がない、目標がない、夢がない。そんな私ならまあそういうことなのかな?
その時、声が響いた。
声だけなら何度か聞こえてきたが、目の前に現れるのは初めてでつい後ずさる。
セカイの創造主。それって、もしかしてここでいう私?私が一つのセカイを作ってる?そんなまさか…
そう言うと、ミクは何処かに消えてしまった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。