翌日。
私は学校に着くなりすぐ二人の元へ行き、昨日のことについて聞くことにした。
とは言ってもやっぱり私から話しかける勇気なんてなかなか出ずに、声をかけるのを躊躇していた。
更に、勇気を振り絞って出した声はちょっと裏返っている。
でも、聞かないと。
何も分からないままじゃ、またセカイに行ってしまうかもしれないし。
そして帰れなくなったら困る。面倒事には巻き込まれたくない。
昨日、何故か2つのセカイが混じったみたいになって私は途中で追い出された。
しかも小豆沢さん達のセカイでは地震だって起きた。
私が元の場所に帰った後、みんなはどうなったのかとか、聞きたいことは色々ある。
なのにみんなが集まらないと分からないって━━━━
と言って、小豆沢さんはスマホの画面を見せてくれた。そこには確かにuntitle、という文字が映っている。
そう言いながらuntitleをタップする花里さん。
言ってる通り、スマホは反応せずuntitleは開けない。
そうして、二人のスマホと自分のスマホを見比べる日野森さん。
え、日野森さん何か知ってるの?
日野森さんのスマホの画面に映る、untitleの文字。
それ見た私たちは唖然としていた。
どうやらこの3つのセカイ、どれも同じ状況らしい。
これじゃ手の打ちようがない。
そこでチャイムが鳴り、話し合いは一旦終了となった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。