第11話

ELEVEN
313
2021/09/20 08:56
居酒屋から北斗の家に帰りお風呂に入る。



入る前に、着替えを持ってきていないことに気がつき
来た道を戻ると北斗は悲しそうな顔でスマホを見ていた。


すごく気になったけど
今ここで話しかけてはいけない気がして
気づかれないようにお風呂場へ戻った。



『お風呂ありがとう!』
上がった時には今までどうりの北斗に戻っていた。
「もう、あがったの?」


『うん!今日はなんかすぐ上がりたいな〜って笑』
うそ、入っていたかったけど北斗が心配と同時に
さっきの光景が離れなかったから。
「じゃあ、俺入ってくるわ」


『はーい』
北斗が行ってから私の視野に北斗のスマホが目に付いた。


いけないと分かってながらも
私は北斗のスマホの電源を入れてしまった。


まぁ、思った通りにパスワードが掛かっていて
お互いの誕生日を入れても開かず
記念日を入れても開かなかった。


所詮パスワードだけど、
こういうのって恋人が居れば
誕生日とか記念日とか、
そういうもんかと思ってたから何だかショックを受けてしまった。
「あがったよー」


『あ、おかえり笑』


「どうしたの?そんなビックリして笑」


『なんか、ボーッとしてて気づかなかったから
いきなり声かけられてビックリしたの笑』


「テレビつければよかったのに笑」


『確かに!その手があったか笑』


「変なの笑」


『思った以上に疲れてんのかな?笑』


「それは、有り得るね笑」
ちゃんとロックがかかる前に止めたから
怪しまれないとは思うけど____

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