『今日は……帰るっ、ね…』
そういって教室を後にしようとした
「待って」
そういって手を掴まれた
和がこんなことをするのは今までで初めてだったからさすがに私もびっくりしてしまった
『は、離して…っ、』
「やだ」
『なんでっ、…』
少し顔をあげるとそこにはすねるような大好きな人の顔がある
そんなことにまで胸がキュッと締め付けられる
「ちゃんと話聞いて」
『っ…グスッ…ん』
「俺ね、あなたのInstagram始めたときから知ってた。
まぁそれはたまたま見つけたんだけどさ。
それで俺の後ろ姿とかおしることか笑
いっぱい撮ってくれててさ。正直、まぁ
嬉しかったのよ。
でもそれに添えられてるメッセージ見たらほんとのこと言えなくなった。
俺が消えるとか、書いてあったから知られたくないんだろうなって察したから。
だから別に隠してたわけでもなくただそれだけ」
『私のこと…気遣って、くれてたの、っ?』
「まぁー、そんな感じじゃない?」
『で、もっ、私っ、…和の、ことっ…本気で好きになったんだもん、っ、…だけどそれいったら和っ、……に、嫌われる、』
「嫌わない」
え…______________
彼の口から出たのは思いもしない返事だった
「俺はあなたのこと嫌ったりしない。
だって、まぁ、初恋だし」
『……嘘、っ、…』
嬉しすぎる。
嬉しすぎるよ、、
「今でも俺はあなたのこと好き」
「俺と付き合って…ください」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!