第2話

いち
2,225
2018/08/15 08:05
『ふわぁ ……… 』


私しかいない教室はなんだか開放感を感じる 。


放課後はみんなデートだとか 。


そんなの私からしたらほど遠い 。


というか 、どうでもいい 。


『はぁ 、』


小さくため息をついて 、問題集に向き直る 。


受験生の私には時間がそれほどない 。


頭が良くない私は学校の授業だけで精一杯なのに 。


それプラス受験勉強なんて 。


『えっと 、これは ……… 』


あぁ 、もう 。


全くわかんない 。


『いいや』


問題集をもう一度放り投げて 、窓に近寄る 。


外はたくさんの運動部がいて 。


たまに香る 、汗の匂い 。


私はこの匂いが嫌いだ 。




ぼんやりと外を眺めていると 、誰かと目が合った 。


『 ……… ん ?』


顔が見えないぞお 。(


めがねめがね ………((


鞄の中から 、真新しいメガネケースを取り出す 。


『あのひとは …… えと 、誰だっけ』←


いや〜見たことある顔なんだけど ……


思い出せないわ ()


ふと教科書に目を移すと 。


  ヘイヤ
"平野"


『あーー !!!!』


あ 、やべっ 。


声出しすぎたわ 。(


彼は …… 平野くん 。


二つ下の後輩 。


完璧なルックスで 、学校中の女子から人気 。


…………… 私をのぞいて 。


あんなやつのどこがいいの ?









____翌日____


いつも通り 、教室で勉強していると 。


「あなた先輩 !」


『あ 、』


綺麗に整った顔に 、ハスキーボイス 。


『……… 平野くん』


紫耀「先輩 !今日一緒に帰りましょ !!」


『は ?』


え 、なにこのひと 。(


初めて話して 、二言目がこれ ?


『私はひとりで帰るから』


平野くんの横を通り過ぎようとすると 。


紫耀「(ガシッ
先輩 、待ってください」


平野くんの腕に捕まった 。


『 ……… なによ』


平野くん少し耳を赤くして 、真剣な顔で言った 。


紫耀「俺 、先輩のことが好きです !」


これって 、告白 ……… ?


まさか 。


こんな私を好きになる要素なんてひとつもない 。


『ど 、どうせ罰ゲームとかでしょ ?
じゃなかったら 、告白してくるわけないもの』


紫耀「そんなんじゃ 、ないです
俺は 、本気で先輩のことが好きなんです」


『そんなことありえないから 。じゃあね』


私は平野くんを振り払って 、歩き出した 。


紫耀「俺 、諦めませんから !!!」


そんな言葉が 、聞こえてきたのを覚えてる 。

プリ小説オーディオドラマ