そのまま1週間たち、今日は楠野くんと約束していた日。
ピーンポーン
ドアホンの音がなり、私は玄関に駆け寄った。
今では楠野くんの敬語にもぎこちなさがなくなった
まずは材料を計りとる作業から。
楠野くん曰く、焦げるなら砂糖を少なめにした方がいいとかなんとか。
家庭科で習ったことあるけど、砂糖とかって焦げやすいんだよね。
楠野くんに数え切れないほどの注意を受け、それでも完成したのはこっげ焦げ
かっこいいなぁ・・・
料理も出来て。
運動もできて。
勉強は知らないけど。
顔面偏差値高いし。
モテモテだし。
凄いなぁ。。
目をパチパチさせて私を見てくる彼。
焦げたクッキーを袋に入れてゴミ箱に捨て、
今からは楠野くんのクッキー作りの見学です!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。