悠人side
少し前を歩く、七瀬 心遥先輩。
隣には友達なのか、女子の先輩らしき人が歩いている。
隣を歩く、親友の鈴木 拓也に聞かれる。
頭の上にハテナを浮かべながら、またも聞いてくる。
たしかに、女は嫌いだ。
特に、恋愛になると厄介だし。
計算高くて、ベタベタまとわりついてくる。
でも、もしも七瀬先輩にそれをされても嫌だと思うより、むしろ嬉しいと思ってしまう気がする。
まだ、あったばかりで、どんな人かなんてよく分かんねぇけど、
それでも七瀬先輩を特別視してしまうのは・・・
好きとはなんなのだろうか。
好きなんて、嘘でも言えることだろ?
だから、今まで恋なんかしたこと無かった。
無意味だと思ってたから。
それなのに・・・
俺は、、
次のクッキー作りの日まで、あと5日。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。