第32話

26
1,682
2021/11/03 02:26
リドル side
あなたが突然、 僕のユニーク魔法のことを聞いてきた。
困惑を隠せなかった。
もしかして… 何か心配をかけるようなことをしていただろうか。
それとも、 僕のことを… ?
それでも僕は、 精一杯平常心を装ってあなたに質問の答えを返した。

リドル
特に、 何も考えてはいないよ。 … ただ、 ……っ

あぁ、 もう!!
どうして口が動かなくなるんだ!!
こんなこと… いつもの僕ならすぐに答えられるはずなのに!

あなた
兄様… 無理をされていませんか… ?


「 無理をしている 」 。
無理、 か。
きっと僕は、 この子に心配をかけてしまっているんだ。
あぁ、 そうだ。
なら僕は? 僕はあなたに安心させられるよう何ができる?
… 僕は無理なんかしてないと、 そう言うんだ。
そうしたらきっと、 あなただってホッとしてくれる。

リドル
… 無理なんてしてないさ。 大丈夫だ。

ちゃんと言えていただろうか。
安心させられるような口調で言えていただろうか。
自分の発言の後に、 とてつもない不安が込み上げてきて混乱してしまった。
… 駄目だ。
ほら、 僕がああ言っても、 あなたの顔は未だ曇ったままじゃないか。
一体、 どうしたら…



どうしたらいいのですか… ? お母様…


_

あなた side
やはり声をかけて正解だったと思った。
私が何を考えているのかと言った時、 たしかに兄様の表情は曇った。
それが不安を表すことなど、 誰もがわかったことだろう。
私の顔も曇っていただろう。
それはそうだ。
兄様のユニーク魔法は元々、 みんなに恐れられるような魔法なんかじゃない。
なのに… 規則ルールが存在するせいで、 兄様はルールという鳥籠に閉じ込められている。
でも、 兄様はルールに縛られていることを知らない。
知ってしまえば、 それはお母様を否定するということだ。
私も否定まではしないけれど… と考えている間に、 兄様は私を抱きしめた。

あなた
兄… 様?
リドル
… 大、 丈夫さ、 。心配をかけさせてごめんね、 あなた。
… 考えたくなかった。
抱きしめて安心させることが、 ほかの人にとっての普通だけれど、 私たちの家で抱きしめて安心させることをする人なんて…


__お母様しかいない。
そして確信した。

… 兄様は、 私以上にルール お 母 様 という概念にがんじがらめに縛られている。

Next

プリ小説オーディオドラマ