第27話

133
2021/08/08 04:39
天野 里佳
天野 里佳
風夏ちゃん大丈夫かな…
その後私達もお店を出て家に帰った
倉田 駆
倉田 駆
大丈夫ですよきっと
ベッドに背をもたれながらそんな会話をする
風夏ちゃんあんな風に思っていたんだ
初めて本音を聞けた気がする
天野 里佳
天野 里佳
私何もできなかった…
救いたいとか言ったのに
結局逃げてしまった
倉田 駆
倉田 駆
…ちゃんと響いてたと思います
倉田 駆
倉田 駆
里佳さんの言葉で
泣きそうになるのを何とか堪える
次の瞬間私の携帯が鳴った
誰だろう
画面を開くとそこには風夏ちゃんからメールが1件届いていた
警察に相談しました、ありがとう
天野 里佳
天野 里佳
やった!風夏ちゃん警察に言ったって!
私はすぐさま駆に伝える
倉田 駆
倉田 駆
よかったです
本当によかった
これでもう風夏ちゃんは辛い思いせずに済むんだ
興奮して手の震えが止まらない
ここまで付き合ってくれた駆にもお礼を言わないと
天野 里佳
天野 里佳
駆、ほんとにありがと…
その瞬間
唇が重なり合った
私はそのまま後ろに押し倒される
倉田 駆
倉田 駆
やっぱり里佳さんは笑顔が1番だ
その言葉に自然と涙が零れた
倉田 駆
倉田 駆
えっなんで…
天野 里佳
天野 里佳
私駆がキスされたの見て本当は嫌だった
天野 里佳
天野 里佳
この世の終わりだと思った
ずっと伝えたかったけれど言ってしまったら嫌われてしまうんじゃないかと思っていた
天野 里佳
天野 里佳
今でもその光景が頭によぎる…
再び唇が重なり合う
視界が駆でいっぱいだ
それからゆっくりと離れ駆は顔を上げる
優しく愛おしそうに私のことを見つめていた
倉田 駆
倉田 駆
里佳さんが忘れるまでキスします
倉田 駆
倉田 駆
…あなたが思ってるより俺里佳さんのこと好きですから
ああ、私馬鹿だ
1人でずっと悩んでいて
そうだよ駆はずっと私のことを思ってくれていた
どんな時でも気づいたら駆がそばにいてくれて
この話題も私が気にしないように避けてくれてたんだ
天野 里佳
天野 里佳
駆大好き…
見つめ合った後私達は再び唇を重ね合った

プリ小説オーディオドラマ