その声は妹の里奈だった
え、どうしてここに
ドタドタと足音が聞こえこちらに向かってくる
やばいこんな姿見られたら終わる
私は急いでワイシャツを脱ぎ捨て先程着ていた服を取る
それと同時に里奈がドアを開けて目が合う
私はまだ下着姿のままだった
里奈の顔がみるみる赤くなっていく
.
それから何度謝ってもこの一点張りだった
そう言いながら駆の方へ指を刺さす
私達の会話に里奈は食い気味に入ってくる
ごめんごめんと謝ると駆の方へ睨みつけた
自分の方が年下だと知って悔しそうにしている
里奈は昔から男の人が嫌いなのだ
だから中高一貫の女子校に通っていて男性とは一切関わりがない
駆は突然水を差すような言葉を口にする
思った通り里奈は反撃した
大丈夫かなこの2人
ボソッと駆はつぶやき隣にいた私は聞こえてしまった
何とか誤魔化して話題を変えないと
話を聞くと成績がよくないことがバレてしまい塾に通うか通わないか言い合いになったらしい
駆の方を見ると明らかに嫌そうな顔をしていた
里奈は手先を揺らし追い出すような素振りをする
私は笑うことしかできなかった
この先2人とも仲良くやっていけるのか不安でしかない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。