俺の名前は桃瀬遥
春に生まれたから遥なんだって
どうせならもう少しかっこいい由来がよかった
でもまぁこの名前は気に入っている
俺は小さい頃からよく女の子に間違わられていた
可愛いと言われるのは別に嫌じゃない
姉が3人いる1番下で育ったっていうのもあるかも
最近は特にワクワクするようなこともない
誰か全裸で校庭1周とかしねーかな
そんなことを考えながら校内をウロウロする
なになに
視線の先には駆達の姿があった
里佳っちはとても気まづそうな顔をしていた
さてはあの女子達の会話聞こえたんだな
しょうがないここは俺が1つ仕掛けるか
俺がそう言うと2人は言われた通り腕を出した
ノリで女子から貰った手錠をポケットから取り出しそのまま腕に繋げる
これで何もないわけないもんな
俺っていつから恋のキューピットになったんだ
この恩はちゃんと返せよ駆
ほんとはここに入ってるけど
あの状態のまま校内歩き周ったらどれだけ駆のファンが泣き叫ぶだろう
そして鍵を見つけられない駆達が半泣き状態で俺のところに縋ってくる姿
やべー考えただけで面白い
あ、そうだもっと面白くさせちゃお
そう言った瞬間周りにいた人達全員が駆達のことを見た
まぁ後は頑張って里佳っち
あえて彼女って言葉主張させといたからこれから告ってくる女も流石に減るでしょ
少しは楽しませてくれよお2人さん
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!