恵美は真っ青な顔をしてこちらを見ている
今日は待ちに待った学祭の日
みんなこの日のために色々と準備をしてきた
その中の1人でもある恵美はこの世の終わりみたいな顔をしている
と言ってもゼミの発表まで往復している時間はない
恵美に携帯を貸してもらい駆に電話をかける
お願い、出て
先程の出来事を全て話した
そう伝えると恵美はホッと安心したように体の力が抜けていた
人混みを抜けながら急いで向かう
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中身を確認するとしっかり大事な資料が入っていた
確か門で待ってるとか言ってたような
私の言葉なんか耳も傾けずに駆は走っていってしまった
私から連絡すれば一発なのに
でもあいつのあんな姿初めて見たかも
お姉ちゃん、あんたが成長してくれて嬉しいよ
私はそのまま携帯をポケットにしまった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。