亜嵐くんside
ゴォォォォォォォッ
ザァァァーー
もう!せっかくの土曜日の夜なのに
天気が悪い…!!!
さっきから風の音、雨の音がうるさくて仕方ない
えぇなにそれ
時間が経っていくにつれて 雨風 は強くなっていく
それからしばらくして
ガタンガタンッ
ゴゴゴゴゴ
多分台風が近づいているんだろう
家が少し揺れるくらいになってきた
その時
ゴロゴロゴロッッ
雷っ!?!?!?
そう思った瞬間に俺の足は動き出していた
あなたは雷が大の苦手。
小さい頃からずっとだ…
俺は勢いよくリビングのドアを開けた
あなたはすぐに抱きついてきた
俺はあなたの頭を優しく撫でた
泣きながら小刻みに震えるあなた。
こんな姿でも可愛いんだよなぁ………
そんな事を考える俺は狂ってるのかもしれない。
けど
この子には人を狂わせるくらいの破壊力がある
みんな次々に自分の部屋から降りてきて
あなたの周りに駆け寄る
俺はあなたをソファの方へ少し動かした
その時 あなたはさっきよりも強く俺を抱きしめた
俺の胸に顔をうずめながら ごにょごにょ話すあなた。
あぁ、、、もう…
ほんとにこの子は、、、、、、
どんどん俺を、ダメにする。
少しあなたも落ち着き、やっとソファに座れた頃…
小さい頃からあなたが泣いたら
俺達の誰か一人が作るホットミルク。
甘党のあなたの為に砂糖と蜂蜜がたっぷり入ってる
ゴロゴロゴロッッ
その時今までの中で1番大きな雷が鳴った…
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涼太くんside
あなた、少しは落ち着いたかな?
俺の入れたホットミルクを両手でもって
ふーふーいいながら飲むあなた……
これまた異次元のように可愛い。
さっきなんて あまり冷まさずに飲んで
「あちゅっ…」って小声で言ってるあなたの声が
聞こえた時にはもう死ぬかと思った
そんなふうにあなたの可愛さに浸っていると
ゴロゴロゴロッッ
そうあなたは言いながら
隣に座っている俺のひざにちょこんと乗ってきた
もう俺ダメかもしんない…///////
できるだけ平静を装って言った
俺はあなたのお腹に手を回し自分の方へ引き寄せて
あなたの手を優しく握った
'
満足げにあなたは話した
あ、笑った
よかった
あなたが笑ったらとりあえず一安心…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。