炭「??何ですか、?」
煉「車掌さんが切符を確認して、切込みを入れてくれるんだ」
『(...。)』
こういう時、勘というものは冴えるものだ。
大体は呼吸のお陰だろうけど。
私はふむふむ、と興味深そうに車掌さんを見ている 隣の彼にコソッと話し掛けた。
『...炭治郎さん。私、善逸さんを宥めてくる。代わりにして貰って欲しい。』
炭「っえ?い、良いですけど...あ、お願いします。」
不思議そうに炭治郎さんは、私に言われた通り 自分の切符と共に車掌さんに渡す。
サッと席を立ち、少し帽子で隠れた顔を盗み見ながら 今にでも列車を飛び出しそうな善逸さんへ同じように声を掛けた。
引き攣っている。何かに怯えている表情だ。
我「っ、あなたちゃぁんん!鬼が出るってぇぇえ...」
『...禰豆子ちゃんと結婚するんでしょ。だったら守ってあげて。』
我「うっんん、確かに...っ!!ふふ、あなたちゃん絶対結婚しようね!禰豆子ちゃんは娘として迎えるから!!!毎日君の膝で寝る為に俺頑張る!!」
私が目線を合わし、そう囁いてみたら ババっと座り直し大きく頷いてくれる。(話は無視)
チラリと横を見ると、車掌さんは三人分の切符に切込みを入れていた。それを見た彼は、異変に気づいたらしく 少々心配するような顔になる。
私は少し間を空け、小さめな声で言葉を繋げた。
『...それと。意識がないとしても、小さな音でも変だったら 直ぐ刀を抜いて。分かった??善逸さん。』
我「ん、?う、うん。分かった。」
我「(不思議な音...。っていうか、聞こえない?)」
こてんっとあざとく首を傾げた善逸さんに色々と耐えつつ、そろそろ戻っても良いかと思い 通路に視線を向ける。
すると扉の方面から 物凄い悪臭が漂ってきた。
この汽車から感じる物とは違う、別の香りだった。
煉,炭「!!」
我「っぎゃあ...!?!!」
『、、、煉獄さん。』
煉「あぁ。...車掌さんを頼む、あなた。あと火急のこと故、帯刀は不問にしていただきたいぞ!」
柄巻に手をかけ、口角を上げる煉獄さんは 車掌さんの前に立つと異能の鬼に向かって言葉を放った。
煉「罪なき人に牙を剥こうならば、この赫き煉獄の炎刀がお前の骨まで焼き尽くす!!!感謝するぞ、我が元継子!」
煉「炎の呼吸、壱ノ型、不知火」
ボワリと炎が舞うように、赫く染まった刀が鬼の頚を切り落とした。
炭「すげぇや兄貴!!さっきの発言は撤回して、俺を弟子にしてくだせぇ!!」
嘴「おいどんも!」
その姿を見て 私以外の三人はワイワイと煉獄さんの周りで、弟子になる発言をし始める。私は車掌さんに頭を下げ、怪我をした人が居ないか見て回った。
全員掠り傷すらもなく、無傷...。
確実に鬼を殺めたのに、頚を落としたのに
この空間に纏っている モノ が消えない。
炭「あ、そう言えば。何のお弁当を食べていたんですか??」
煉「ん?あぁ、あれは牛鍋弁当だ!!溝口少年も食べてみるといい。」
考えている内に、皆がそれぞれの座席に戻って行った。同じように戻ると また何気ない会話が始まる。
二人の話にこくこくと相槌を打ちつつ、変わらず私の頭は車掌さんの様子や列車の様子で埋め尽くされていた。
...
?「...鳳凰柄の羽織を羽織った女隊士、かぁ。」
【大正コソコソ噂話☆偽】
実は霊柱は、鬼殺隊入隊直後に 炭治郎と同じく鬼舞辻に一度会っている。
霊柱から感じとれた力に興味を持った鬼舞辻が、鬼になるよう進めてみたが断られた。
説得と誘拐に皇室へと送り込まれた黒死牟は、ただ可哀想な鬼
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。