第56話

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2020/04/04 15:07
「ミンギュ」



ただ名前が同じだけ?



そんな偶然、ある?
















この名前を聞いただけで


心臓がうるさいくらいに脈を打つ。



















あなた

あの......息子さんに..........会うことって出来ますか.....?

ヨヒ
えっ....
あなた

もしかしたら私が探している人かもしれないんです!!!

ヨヒ
ミンギュのことを...知っているの?
あなた

お話して、信じていただけるものかどうかわからないです...。でも、確かめたいんです!

ヨヒ
...あなたちゃん........
あなた

大事な.......

あなた

大事な人.....なんです.........。

ヨヒ
...看護師さんに話をしてくるから、待っていてもらえる?
あなた

ヨヒさんっ....ありがとうございます....!!!!












ヨヒさんは談話室を出て詰所に向かう。

ミンギュに、会えるかもしれない。













でも、出会ったミンギュは幽霊だった。


本人も


「自分は死んだ」


そう説明していた。


でもここで生きているとしたら...


なぜ幽霊になっているの?


ますますわからない。














ぼーっと考えながら飲み物を飲んでいると、ヨヒさんが戻ってくる。








ヨヒ
ごめんね、感染リスクとか考えたらさすがに親以外を入れてあげることはできないみたい....
あなた

そう.......ですか.......

ヨヒ
代わりと言ってはなんだけど、元気な頃の息子の写真で良ければ...





そう言って、ヨヒさんと仲良く写真に写る男の子の画面を見せてくれた。
















まだどこか幼い顔つきだけど


男らしい顔で


笑った時の八重歯


犬のような可愛らしい笑顔


左頬にあるホクロ


その全てが



















私の知る、ミンギュだった。



















あなた

みんぎゅっ.........!!!














その場に思わず泣き崩れた。


ヨヒさんはすごく驚いた顔をしていた。















ヨヒ
うちの子を、知っているの...?














いわく付きの家に引越しをしたこと


幽霊であるミンギュに出会って


一緒に生活したこと


かけがえのない存在となっていること
























また、会いたいこと










全て、ヨヒさんに話をすると、


ヨヒさんもただ静かに涙を流していた...。



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