ピピピピッ____
アラーム音で目が覚める
体を起こし、ベッドから出て準備をする
結局、昨日のあの後は
泣き疲れてそのまま寝てしまった
ずっと泣いてたのが原因か、
鏡を見ると目が少し腫れていた
_
教室の前まで行くと、
中から楽しそうな話し声が聞こえてくる
____ガラッ
私が入ってきたとたん、静かになる教室
3人を見ずに、自分の席へと座り、顔を伏せる
また、話し始める真莉愛
野薔薇は今、体調を崩しているらしく、
教室には来ていない
顔を伏せていると
足音がこちらに近づいてくる
誰? と思い、顔をあげる
ニコッ と笑い、真莉愛がそう言う
ボソッ と恵の声が聞こえる
何のつもりで真莉愛は話しかけてるのだろう
「 おはよ 」と小さな声で返し、
また顔を伏せようとする
____ガンッ
ガンッ と近くにあった机を蹴る恵
怒っているのか、目が キッ となる恵
____ガラッ
ガラッ とドアが開き、五条先生が入ってくる
舌打ちをして、席へと座る恵
『 俺は信じてるから 』
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!