第116話

嵐の前の
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2021/05/07 15:17




ここは医務室

A作戦が終了した次の日の朝





A作戦は成功したものの、予想通り怪我人や死者は山ほど出た

そのため医務室はバッタバタ


ドヨンは一瞬の休憩もなしでもう何回手術したかもわかんないぐらいだし、
ソンチャンなんかは任務から帰ってきてからそのまま治療に駆り出されているのでもうヘトヘトだ






ドヨン
ドヨン
はあ..........
ソンチャン
ソンチャン
めちゃくちゃ疲れた....
ドヨン
ドヨン
もう無理僕が死にそう
ソンチャン
ソンチャン
全くです...
ドヨン
ドヨン
ソンチャンもう休みな、戦いでヘトヘトなのにごめんねぇ...
チソン
チソン
そう言うドヨンヒョンも休んだ方がいいと思いますよ
あとは僕らがやっておきますから


そう言いながらチソンがテキパキと薬品の在庫を確認し

包帯の張り替えやら点滴の調節やらをしに部屋を走り回る



彼は看護師レベルの医療知識だったら持ち合わせているので医務室のサポートも可能なのだ
昨日の夜から手伝いで入ってくれているが
若いせいか全然疲れを見せない




その後ろにはテイルもいる

彼は書類を片付けたり、薬の調合をしたり。
彼は薬剤についての教養を持っているのでサポートで入っている


テイル
テイル
うん、休憩してきな2人とも
もうだいぶピークは越したしあとは僕たちでもできるからさ
ドヨン
ドヨン
...ならお言葉に甘えさせていただきます、ソンチャン休もう
ソンチャン
ソンチャン
やったあ.....



2人は医務室の奥に消えていく

ドアを閉めた瞬間部屋の奥からドカーンと何かが思いっきり倒れたような音が聞こえる



そのでかい音にチソンが肩をびくっと震わせる



チソン
チソン
え?だ、大丈夫ですかね、、、?
テイル
テイル
派手にぶっ倒れたなあ
チソン
チソン
し、死んだ?
テイル
テイル
そりゃ無いね
チソン
チソン
僕見てきますっ!



部屋の奥には言っていくチソン

案の定、その後彼の うわああああ! という叫び声が聞こえる





気になって覗いてみると
チソンが床に倒れてる2人をずるずるベットに乗せているところだった







まあ、ゆっくり休んでほしい

そう思うとテイルは病室の見回りに行く









もう昼に近い朝だというのにみんな疲れで寝静まっている

だけど何箇所かうるさいところがある。まあ誰がうるさいとかは目星がついているんだけどね




テイルは一番うるさい病室のカーテンを思いっきり開ける


ヘンドリー
ヘンドリー
うっっわあびっくりしたあ!!!
シャオジュン
シャオジュン
ヒョ〜ン、、足痛いよおお
テイル
テイル
痛いのはわかるけどうるさいよ君たち
ヘンドリー
ヘンドリー
すいませえん
シャオジュン
シャオジュン
なあ、これ音の振動が傷に障ってる説ない?
ヘンドリー
ヘンドリー
ある
シャオジュン
シャオジュン
じゃあもうお前黙ってて
ヘンドリー
ヘンドリー
いやです
テイル
テイル
いや黙っててくれよ...
シャオジュン調子はどう?
シャオジュン
シャオジュン
まあ普通に痛いんですけど、、
これいつ治りますかね?
テイル
テイル
本当のところは二週間は動かずにいてほしいんだけど
テイル
テイル
できないでしょ?
シャオジュン
シャオジュン
はい!!!
テイル
テイル
そんな元気よく返事しないで



テイルは痛い痛いと言うシャオジュンに痛み止めを渡すと

次は斜め向かいの部屋のカーテンを開ける






テイル
テイル
調子はどう?



カーテンの中にはジェノとジェミンが



ジェノがベットの上からひらりと手を振ってくる
その隣のベットにはジェミンが爆睡している


ジェノ
ジェノ
おかげさまで。もう仕事もできそうですよ
テイル
テイル
それはダメだよ今日は寝てて
ジェノ
ジェノ
はあい
テイル
テイル
痛む?
ジェノ
ジェノ
多少は、、でも薬のおかげでだいぶ楽です
テイル
テイル
そっか。ジェミンは大丈夫かな?
ジェノ
ジェノ
多分今日明日は寝っぱなしだと思いますけどいつものことなんで大丈夫ですよ
ジェノ
ジェノ
ほら、今のこいつまじで起きないですよ



そう言ってジェノはジェミンのほっぺたをベチベチ叩いたりつねったりする

テイル
テイル
あ、笑った


いじられて赤くなったジェミンのほっぺに
ニコッと笑顔が浮かぶ



いい夢観てるんだろうな

ジェノ
ジェノ
かわいい〜
テイル
テイル



そして最後に一番奥のカーテンを開ける



やっぱり、端っこの窓があるベットには相変わらずあなたがすやすや寝息を立てている

その隣のベットには肩をぐるぐるに固定されたヤンヤンがお菓子を食べていて
その二つのベットの間の通路にはウィンウィンが椅子に座ってうたた寝をしていた





テイル
テイル
ここにいたんだ〜ウィンウィン〜
ウィンウィン
ウィンウィン
あ、ヒョン!
この子たちが気になって
ヤンヤン
ヤンヤン
心配ないですよお!早くこれ取っちゃいたいです!
ウィンウィン
ウィンウィン
本当のこと言うとどうせお前は勝手に固定取るから見張りにきてんの!
ヤンヤン
ヤンヤン
げーーーーーっ
テイル
テイル
あなたはここが好きだねえ
ウィンウィン
ウィンウィン
昔っから決まってこの場所で寝ますよね
テイル
テイル
そうそう
だから昨日ドヨンが「どうせここにはあなたがくるから」ってこの場所開けてたんだもん
テイル
テイル
あれ、ほっぺ怪我してる



テイルはあなたの布団をかけ直すとベットに腰掛ける


ヤンヤン
ヤンヤン
すごい、あなたヒョン全然起きない
ウィンウィン
ウィンウィン
疲れてたんだよ、結構緊張してたし
怪我もしてるしね
テイル
テイル
あー、あなたどうだった?
久しぶりに戦闘作戦に参加させたわけだけど
ウィンウィン
ウィンウィン
だいぶ変わりましたよこの子
ちゃんと「帰りたい」って言ってくれました
テイル
テイル
そっかあ、よかった...
ウィンウィン
ウィンウィン
本当によかったです
テイル
テイル
いやあ、僕もうずっと気が気じゃなくってさあ...
ウィンウィン
ウィンウィン
あ、もしかしてあなたの戦闘参加に許可出したのって...
テイル
テイル
うん、僕
ウィンウィン
ウィンウィン
そりゃそわそわしますね笑
テイル
テイル
いやー、本当によかったあ
ウィンウィン
ウィンウィン
人って変わるもんですね
ヤンヤン
ヤンヤン
ルーカスヒョンのおかげでしょ笑
ウィンウィン
ウィンウィン
んもー、お前は全く...
テイル
テイル
まあ、間違いではないと思うな
ルーカス来た?
ウィンウィン
ウィンウィン
一瞬顔出しに来ましたよ
すぐ行っちゃったんですけど
ヤンヤン
ヤンヤン
喧嘩したらしいよ
ウィンウィン
ウィンウィン
こら、すぐそういうこと言う
テイル
テイル
へえ〜こいつら喧嘩するんだなあ
テイル
テイル
あなたも喧嘩するようになったか...
ウィンウィン
ウィンウィン
それすらも嬉しいですね
ロボット少年みたいでしたからねえ
テイル
テイル
...この子たちには、これからこんな風に普通の感覚を取り戻して普通に生きて、幸せになってほしいな
ウィンウィン
ウィンウィン
それに尽きますね、ほんと
ヤンヤン、お前にも言ってるからな!
ヤンヤン
ヤンヤン
僕は今のままで十分幸せですもーーーん



ウィンウィンに頭をワシワシ撫でられるヤンヤン
抵抗するそぶりを見せるが顔は嫌そうではない



子供扱いするな!と言うも
「お前は赤ちゃんだ」とテイルに一蹴される










そんな騒がしい部屋の中でも、あなたは気持ちよさそうに寝息を立てている
















窓からは優しい春の光が差し込み
薄いカーテンが、暖かい春の終わりの風に吹かれて舞い上がった

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