第117話

5,539
2021/05/08 15:18
ヘチャン
ヘチャン
ね〜あなたヒョン、かまってよ〜〜〜
(なまえ)
あなた
構ってる暇ないよ、もう一気にことが動いて情報部はパンク寸前なんだからさ
ヘチャン
ヘチャン
そんなこと知ってるもん
(なまえ)
あなた
クソガキ
ヘチャン
ヘチャン
へん!なんとでも言ってくださいよ!
(なまえ)
あなた
まだジェノが復帰してなくて忙しいんだからむしろ手伝ってよ
ヘチャン
ヘチャン
いやですよん
(なまえ)
あなた
なら帰ってくれ...ロンジュンにでも相手してもらえ...
ヘチャン
ヘチャン
あいつは今仕事です
(なまえ)
あなた
僕も今仕事なんだけど!?
ヘチャン
ヘチャン
知ってます
(なまえ)
あなた
あーーーーー!クソガキ!!!!




そう言いながら僕ははキーボードを激しく叩く

報告書は山積みだし、電話は鳴り止まない






ヘチャンはそんな僕とは裏腹に、僕のデスクに方肘をついてガムを噛んでいる


(なまえ)
あなた
なんか気になる資料があるんだったら見てていいからお願いだから邪魔しないでくれ
ヘチャン
ヘチャン
やった〜その言葉を待ってましたあ
(なまえ)
あなた
見たいなら見たいって最初に言えばいいのに
ヘチャン
ヘチャン
それだけじゃ面白くないじゃないですか!
(なまえ)
あなた
このっ....


僕はヘチャンに資料を投げるフリをする

いたずらっ子が、、、


ヘチャン
ヘチャン
一班の報告書どこにありますか?
(なまえ)
あなた
ほい




片手に持ってた資料を手渡す

ヘチャンはその報告書の膨大な量の文字をスラスラ読んでいく




ヘチャン
ヘチャン
へえ、思った以上に上手くやれましたね
水素爆弾も処理できた上に武器庫も丸ごと潰せたし、いい武器も手に入ってる
ヘチャン
ヘチャン
作戦達成率出ました?
(なまえ)
あなた
平均してざっと121%
全班作戦は成功してるから100を下回ってる所はないよ
ヘチャン
ヘチャン
うわーー!大成功だなあ

まあ、その分こっちの損害は多いけどね
被害分かってきましたか?
(なまえ)
あなた
死者が56人
負傷が102人でそのうち31人は現時点で戦闘不能
ヘチャン
ヘチャン
今動けるのは?
(なまえ)
あなた
幹部全員はいけるとして75人かな
そのうち13人は内部に回したい
ヘチャン
ヘチャン
なるほど..ね
(なまえ)
あなた
...なんか考えがあんの?
ヘチャン
ヘチャン
まあ、何通りかは
ヘチャン
ヘチャン
ロンジュンは今それのための任務に出かけてます
(なまえ)
あなた
仕事早いね、流石
(なまえ)
あなた
ねえ、警察とSWA潰すって言ってたけど具体的にはどうするの?
ヘチャン
ヘチャン
知りたいですか?
(なまえ)
あなた
極秘とかじゃないなら
ヘチャン
ヘチャン
極秘事項はヒョンも知れる立場じゃないですか
(なまえ)
あなた
まあそうなんだけど。教えてくれるの?
ヘチャン
ヘチャン
いいですよ、けど
(なまえ)
あなた
けど?
ヘチャン
ヘチャン
愛嬌してください
(なまえ)
あなた
ヘチャン
ヘチャン
即答やめてください
(なまえ)
あなた
もー意地悪しないでよ!早く教えて!
ヘチャン
ヘチャン
意地悪なんかじゃないですよ?僕は本気です
(なまえ)
あなた
え...まじ?
ヘチャン
ヘチャン
まじまじ
(なまえ)
あなた
えーー、なら要らない!
(なまえ)
あなた
ばーかばーか
ヘチャン
ヘチャン
本当にいいんですかあ?
(なまえ)
あなた
...いいっ


ヘチャンのニヤニヤした顔が近づいて来る



本当はめっちゃ知りたい。

まだ調整段階だろうけどどんな作戦を考えてあるかは普通に興味あるし、

詳細を知れたらジェヒョニヒョンに会えるチャンスがあるかも知れない
もう本当に早く会いたい

言いたいことも相談したいこととか聞いて欲しい事とかいっぱいある





ただ愛嬌だけは本当に勘弁して欲しい絶対やりたくない



ヘチャン
ヘチャン
本当にい?
(なまえ)
あなた
っ......
(なまえ)
あなた
ほんと...
ヘチャン
ヘチャン
んーーーー?
(なまえ)
あなた
....しりたい
ヘチャン
ヘチャン
はい!じゃあ愛嬌どうぞ!
ヘチャン
ヘチャン
ほら!早く早くう!!!
(なまえ)
あなた
くっそ...絶対覚えてろよ......




ヘチャンの目はマジで
愛嬌は回避できそうにない








僕は覚悟を決めると






顔をちょっと傾けて上目遣いをしてみる












....ああ、屈辱すぎる..!

ヘチャン
ヘチャン
まだまだ!ほら、こうやって猫の手でにゃんってしてください!




仕方なく僕は彼の真似をして両手をグーにして顔の横に持ってくる






ヘチャン
ヘチャン
にゃあって言ってください
(なまえ)
あなた
にゃあ
ヘチャン
ヘチャン
あーーー!かわいい!!!!よくできましたあ!!!!!


そのままのポーズでヘチャンに撫でられる


その手に噛み付く真似をする






もうマジで恥ずかしさで死にそう


ヘチャン
ヘチャン
おっ今のも可愛かったですよサービスですか?!
(なまえ)
あなた
ちげーよバカ!ヘチャン嫌い!!!
ヘチャン
ヘチャン
怒らないでください〜約束通りお教えしますよ!




そう言うとヘチャンは僕の横に移動してきて

耳元で声を抑えて囁く



ヘチャン
ヘチャン
警察の方はジェヒョニヒョンが証拠集めに成功したんでそれを使います
(なまえ)
あなた
証拠?
ヘチャン
ヘチャン
はい。
奴らがもみ消した事件の記録とその不正を示す記録の原本です

それを後はジェヒョニヒョンが証拠を突き出すだけです
(なまえ)
あなた
それって、どこに?
警察署は署長が黒幕だから頼れないし裁判所だって買収されてる可能性があるのに
ヘチャン
ヘチャン
「テレビ局」ですよ
(なまえ)
あなた
テレビ局?
ヘチャン
ヘチャン
ええ。国民放送局に突き出すんです

そこならまだ安全ですから。もしそこが腐ってても護衛をつける予定なのでまた別の放送局を当たればいいんです
(なまえ)
あなた
国民放送局...確かにここに突き出せば確実に効果はあるだろうけど、まともに取り合ってもらえるんかな
ヘチャン
ヘチャン
そこでやっとジェヒョニヒョンに真価を発揮してもらうんですよ
ヘチャン
ヘチャン
彼は正真正銘の警察官であって


8年前、世間に大きく報道された「警察官連続殉死事件」の殉職者の1人の”チョン・ユノ”なんですから。
結構反響があったこの事件ですが、特にジェヒョニヒョンはまだ警察学生でイケメンでしたから結構話題になったんです。ご存知でしょう?
(なまえ)
あなた
うん。その殉死した警察官の中には...僕の父親もいるから


前にも言ったが、8年前

警察官だった僕の父親がマフィアを検挙したが逆恨みにあって両親共々は目の前で惨殺、僕は売り飛ばされた




この事件は、悪徳警察の手によって父はマフィアではない別のやくざと差し違えて殉死したことになってるし
僕と母はそのやくざの報復によって死んだことにされている

ジェヒョニヒョンも同じように偽装されている






誰も僕を助けにこなかったのはそう言う訳。

世間では僕もジェヒョニヒョンも死んだことになっている




ヘチャン
ヘチャン
...ジェヒョニヒョンの顔と共にこの証拠を突き出せば僕らはチェックメイトって訳です。

SWAもチョンロが同じ手口でやります。あの子も会長の息子なだけあって顔は知られているので、死んだはずの息子が生きて出たってなったら向こうも黙ってないでしょう。
韓国警察の悪事が分かった後だったらこっちにもボロが出ますし、株主たちは僕らのなけなしのお金を使って黙らせます
(なまえ)
あなた
なるほど、この作戦ならうまくいきそうだね
ヘチャン
ヘチャン
気に入っていただけましたか
(なまえ)
あなた
うん、愛嬌やるだけの価値はあった
(なまえ)
あなた
これでしょうもなかったら神威の部屋に監禁してたからね
ヘチャン
ヘチャン
こっっっっわ!なんてこと言うんですか!!!
ヘチャン
ヘチャン
後、もう一つ
ヘチャン
ヘチャン
ジェヒョニヒョンが掴んだ証拠の中に、あなたヒョンの誘拐とご両親の殺害事件についての本当の記録がありました
(なまえ)
あなた
え....?
ヘチャン
ヘチャン
これでヒョンも、ヒョン自身とご両親の無念を晴らせます
ヘチャン
ヘチャン
ジェヒョニヒョンが今度、その証拠のコピーを渡しに来ます。

その時、あなたヒョンが受け取りに対応できるようにしておきましたからね
(なまえ)
あなた
ヘチャン....
(なまえ)
あなた
やっぱり好き...ありがとう...
ヘチャン
ヘチャン
僕もあなたヒョンのこと大好きですよーん!

僕は何もしていませんよ。
お礼なら、今度ジェヒョニヒョン会うときに彼に直接言ってください!



ヘチャンはそう言うと では と、僕の部屋を後にする












...嬉しい、これでやっと父さんと母さんの無念を晴らせる


僕もそれで少しは報われる










僕は少しの間涙を流す









一通り泣き終えて気持ちの整理がついたので
休憩にとコーヒーを飲みにロビーへ向かう
























ロビーにはテンヒョンにユタヒョン、それにドヨンヒョンヘンドリーがいた







4人は僕に気がつくと手まねきしてくる

...なんであんなにニヤニヤしてるんだ?











(なまえ)
あなた
なんですか?
ユウタ
ユウタ
なにもクソも、あなた、ほんまかわいいなあww
(なまえ)
あなた
え?いきなりどうしたんですか
テン
テン
かわいいねw
(なまえ)
あなた
ちょっと本当になんですかあ!
ヘンドリー
ヘンドリー
お前あんなことするんだなあ!
(なまえ)
あなた
あんなことって?!
ヘンドリー
ヘンドリー
にゃあ❤︎
テン
テン
にゃあ❤︎
(なまえ)
あなた
は、はあ???!!?!


テンヒョンとヘンドリーが、さっき僕がヘチャンにやった愛嬌をそのままやってくる



なんで?!






偶然か?いや、偶然にしてはできすぎている


てかなんで知ってるの!?







僕がそう思っているのは顔に出てたみたいで
ドヨンヒョンが同じポーズをとりながら言ってくる


ドヨン
ドヨン
あなた携帯見てないの?
(なまえ)
あなた
け、携帯?いえ、まだなにも
ドヨン
ドヨン
カトク見てごらんw




そう言われてカトクを開く




幹部のグループに通知が溜まっている











中を覗くと、動画が送られていた



その中身は






























僕の愛嬌だった























(なまえ)
あなた
はあーーーーーーーーー!?




フロア中に僕の声がこだまする




ゲラゲラ笑い転げる4人










あの時僕は気づかなかったが、どうやらヘチャンの胸ポケットに入っていたスマホのカメラがまわっていたいたらしい








あのクソガキ、ハナからこうするつもりで......!














僕はチャットに「絶対許さない」


とだけ打つとヘチャンを探し回る














まあ、結局見つからず

















僕はしばらく幹部(特にユタヒョン)と顔を合わせるたび
にゃあ といじられるようになった

プリ小説オーディオドラマ