第14話

訓練4
7,710
2021/03/05 03:56
マーク
マーク
見ぃつけた!
マークが突然叫んだ。

画面を見ると、ドローンの一基が敵の様子を映し出している。

マーク
マーク
よ〜し、勝負だ!
そう言うとマークは一気に5台のパソコンを操り始める。

僕はすぐさまiPadを見る。
iPadにはドローンの場所も表示されている。

さっきまでバラバラに索敵していたドローンはマークの指示で綺麗な陣形を取っている。

さっき飛ばしたドローンの中で戦闘用は10機。後の5機は索敵、別の5機はサポート用らしい。




小型のドローンなので室内でも小回りが利きやすく、スピードもハチドリのように俊敏だ。

しかしそれはコントロールがとても難しいことを意味する。

残りの敵は25人。マークが捕捉したのは20人。

マーク
マーク
僕がここで一掃してやる!
そう言うと一気に敵に向かってドローンを滑らす。

iPadを見るとドローンがえげつないスピードで移動している。最早瞬間移動だ。




あっという間に5人を撃破する。




相手が武器を取り始めた。それを確認すると今度は陣形を崩し一気に散開させる。


そしてそれぞれの機体を天井、壁、床スレッスレに飛ばす。


なんてコントロール力だろうか。ちょっとでも加減をミスったら壁に当たって自爆するだけだ





ありえない動きをするロボットに敵は翻弄される。敵も懸命に反撃するが、マークが素早く反応し避けるせいで一向に当たらない。






5分後、補足していた20人を完全に撃破し、まだ見つかっていなかった5人をさらに見つけだし敵を完全制圧してしまった。
マーク
マーク
perfect!!!!!!!!
(なまえ)
あなた
perfect!!!!!!!
僕らはハイタッチする。


本当にすごい。これが幹部か…
マーク
マーク
うー!バッテリーギリッギリ…あともう少しで動けなくなるところだった〜
なるほど。


ヘンドリーに先に索敵したのも、効率がいい他にマークに無駄なバッテリーを使わせない為で


シャオジュンが率先して狙撃したのも、ドローンを操作してる最中は動けないマークから徹底的に危険を取り除く為だったのだ。


すごい所まで考えられてるなぁ…
マーク
マーク
もしもしみんなぁ?!
僕が全部片付けちゃいました!
チソン
チソン
マジですか…僕ずっと暇なままなんですけど…
ジャニ
ジャニ
俺もだよマーク!1人だけ楽しんでずるいじゃないか!
ヘンドリー
ヘンドリー
ちょっと待ってください!!!!
ヘンドリーが叫ぶ。
ジャニ
ジャニ
どうした?ヘンドリー
ヘンドリー
ヘンドリー
何か近づいてくる…大勢の……人だ!!!!
体格のいい人ばっかりな感じ!

数…20....27....30…!!!40人近いです!
(なまえ)
あなた
なっ…?!誰?
ヘンドリー
ヘンドリー
あの格好………第一部隊です!!!
チソン
チソン
第一部隊ぃい?!
チソンくんが素っ頓狂な声を上げる
ジャニ
ジャニ
oh〜、ユウタめ、サプライズって訳か。
なんだ、丁度いいじゃないか!!!
マーク
マーク
僕もう全部充電使い切っちゃいましたよ!
チソン
チソン
マークヒョン、そこで大人しくしといてください
ウィンウィン
ウィンウィン
合同訓練ってことですね、手強いですよ
ヘンドリー
ヘンドリー
見たところ幹部はいません!
チソン
チソン
了解です
シャオジュン
シャオジュン
あっ、速い…!奴ら迷いもせずに施設に走ってきます!!!

多分2.3人しか足止めできませんよ!!!!
ジャニ
ジャニ
任せろォ、それの為に俺がいるんだからな!
ウィンウィン
ウィンウィン
あなた、多分今からジャニヒョンが戦う。
記録をとるなら今のうちだけど、どうする?
危険だけど記録を取らない訳にはいかない。
(なまえ)
あなた
行きます!
ウィンウィン
ウィンウィン
分かった。
さっきまでの第二部隊とは戦い方が根本的に違う。だから気をつけて着いてきて!
ウィンウィンさんの後に続いて僕は下まで降りていく。

するとまさかの正面玄関のど真ん中にジャニさんが立っていた。





隠れる気ゼロじゃん。





ええ、あの人何するんだろ、


すると向こうから敵が凄い勢いで走ってくる

(なまえ)
あなた
えっ、ちょっ、ヤバくないですか?!
ジャニ
ジャニ
Don't worry あなた!!!

俺はお前が守るって言ったじゃないか…💋
ひゃーーー、こんな時までそのノリに構ってられませんよ!!!!!



ジャニさんはゆったりとしながら何か肩に大きいものを担ぐ
(なまえ)
あなた
??
ウィンウィンさんが振り返ると腕で僕の頭を抱えるような形で抱きしめるとそのままの姿勢でしゃがんだ。

僕はウィンウィンさんの胸元に寄りかかるような体制になった。


なんだ、これ と思った瞬間



あたりに物凄い爆発音と爆風が発生した。


ウィンウィンさんが盾になってくれたおかげで爆風は免れ、彼は腕で僕の耳を塞いでくれていたので耳を痛めることもなかった。

爆発の正体はジャニさんが肩に抱えてたもの、ロケットランチャーだ。


でもあれ、普通の火力じゃないでしょ。

普通のロケランの5倍ぐらいの威力だったぞ。







え、今の肩に乗せて立ったまま撃ったの…?






普通なら今頃下半身と上半身がさよならしてるはずなんだけど…
ウィンウィン
ウィンウィン
大丈夫だった?
(なまえ)
あなた
はい、ありがとうございます…ウィンウィンさんは?僕を庇って…
ウィンウィン
ウィンウィン
僕は全然。慣れてるからね
これ慣れてるって…何十発食らっても慣れそうにないんですが。
ジャニ
ジャニ
大丈夫だったか〜あなた!

すごいだろ。本当ならもっと狙いを定めるんだが訓練だからな!

敵の地面近くに着弾させて爆風で追い払うしかないんだ〜ハハハハ!!!
そりゃそうだ。そんなもの人に向けて撃っちゃいけません!




…お母さんみたいになってしまった。





だが第一部隊は手強い。さっきので確かに大半が吹き飛んだが、受身を取ったものが次々に近づいてくる。
ジャニ
ジャニ
んー、本番ならこれで一掃できるのになぁ〜
シャニさんはそう言うがその声は少し楽しそうだ。


彼は機関銃マシンガンを手に取るとそのまま連射する。


マシンガンも実弾ではなくゴムペイント弾。


本当なら薄いコンクリ程度なら破壊できるが今回はその効果は期待できない。



向こうも向こうで機関銃を確認するや否や近くの物陰に回避。



回避しそこなった6人が機関銃の雨を浴びることになった。



正面から突っ込んできた第一部隊は15人。5人は最初の爆風をくらい気絶。そして6人が機関銃でK.Oされた。


そして残りの4人がジャニさんに襲いかかるが




ジャニさんはハンドガンに持ち帰ると片方の敵を撃ち、逆方向から襲ってきた敵にはその長い足で相手の腹に重い蹴りを入れる。


近接も遠距離も隙がないな、この人…


第一部隊相手に格闘ができるなんてかなりの戦闘スキルだろう。


そんなことを考えていると後ろからバシッという音が聞こえた。


どうやら別の10人くらいの構成員が僕達の後から襲ってきたみたいだ。


完全に油断してた…!



さっきの音はウィンウィンさんが敵の構成員を倒す音だった。
ウィンウィン
ウィンウィン
あなた!そこから動かないで。
大丈夫だから!
ウィンウィン
ウィンウィン
僕のも、記録してくれる?
ウィンウィンさんは優しく微笑むと敵に向き合った。第一部隊の構成員が4人。


いけるのか?!



構成員達が走ってくる。ウィンウィンさん走ってきた敵の懐にスっと入り込むと投げ技をかけ、相手を凄い勢いで床に叩きつけた。


そこからすぐに切り替えると、走ってくる相手の力を利用して片手で相手を放り投げる。


回転するように落ちていく構成員。


次々と襲ってくる構成員を手拳を使い、首の裏、鳩尾みぞおち、顎、と的確に相手の急所をついていく。




コンっと正確にツボに当てられた構成員はその場に崩れ落ちていく。


僕を庇いながら、あっという間に襲ってきた第一部隊を制圧してしまった。
ウィンウィン
ウィンウィン
僕、クンイヒョンに近接術を叩き込まれてるから
ウィンウィンさんは振り返りながら言う。


戦ってる姿はめちゃくちゃかっこよかったのに今、振り返って微笑む姿はとても可愛らしい。

ギャップだ…

ジャニさんはもうめちゃくちゃ暇そうに座ってる。
ウィンウィン
ウィンウィン
多分、残りの敵は全部上の階に行ったみたい。行こう!

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