第6話

決議
11,785
2021/02/21 01:48
幹部会議が始まった。通称円卓会議。

さっきまで和やかだった雰囲気に、少し緊張感が走る
テヨン
テヨン
議題は最近頻発している抗争についてだ
ジョンウ
ジョンウ
昨日の件も含め、この一週間で12件も発生しています
ヘンドリー
ヘンドリー
最近、妙な足音が増えたように聞こえるんです。何かを嗅ぎ回ってるような音も…
マーク
マーク
実はさっき、こっちに来る時も敵2人に襲われたんですよ!
ジョンウ
ジョンウ
え、大丈夫だった??
マーク
マーク
轢きました
…………………………


一同、シーーーーン
マーク
マーク
あの、丁度トラクターに乗ってたんで…
ジョンウ
ジョンウ
…片付けした?
マーク
マーク
…………………すいません
はぁ、やっぱり…みんなが静かになったのはこういう訳です。





それを聞くや否や、僕の横にいた外部担当の下級構成員が「なんだそれヤバいじゃねえか」と言わんばかりに外に飛び出して行った。

後始末をきちんとしないと警察が絡んで厄介な事になるからね。
ユウタ
ユウタ
おいおいマーク…www
テヨン
テヨン
片付けはきちんとすること。分かった?
マーク
マーク
はい、すいません…
ボスは穏和だ。
他の組織なら、下手したら殺されている。
ジェヒョン
ジェヒョン
いいですか、ヒョン
ジェヒョンさんが挙手する。
テヨン
テヨン
どうぞ、ジェヒョン
ジェヒョン
ジェヒョン
この抗争、どうやら『アヴィリオ』が関わっているみたいです。
どうやら奴ら、本格的に俺らを潰そうと小、中団体をどんどん吸収しています
チソン
チソン
えっ……………
そんな…マジか……………



全員に動揺が走る。

『アヴィリオ』というのは我々組織最大の敵勢力であるマフィアだ。

nctが勢力を拡大する前はこの街の大部分を占領していた。

その半分の勢力を削がれたことは間違いなく深く根に持っているだろう。


彼らが本格的に動き出したってことは…
テヨン
テヨン
大規模な抗争が始まる…ってことだね
ああ、やっぱり…
ジェヒョン
ジェヒョン
詳しいデータは、チョンロ
チョンロ
チョンロ
はい、ヒョン。
敵勢力アヴィリオは、4ヶ月前の麻薬組織「ブルーノ」を吸収した件から急速に成長し…
そう言いながらチョンロはスクリーンにデータを映し出す。

彼の内容をまとめると、敵勢力は4ヶ月前から急速に拡大し、勢力を増している。

4ヶ月前と比べると1.75倍の勢力。

我々の3倍の構成員がいる。そういう事だそう
ジャニ
ジャニ
あれっ…思ったより深刻だな…
幹部クラスなら薄々感じといていただきたい。

やっぱどこかのんびりしてるなこの人
ジャニ
ジャニ
俺が粉微塵にしてやろうか?
片付けのことを考えてください
チソン
チソン
でも、このまま更に拡大されたらまずいのでは…手に負えなくなります!
クン
クン
そうだね、まずこれ以上敵に拡大をさせない。
ロンジュン
ロンジュン
そして敵勢力を削がなくては。
今の規模でもうちにとったら十分すぎる脅威です
テヨン
テヨン
正直、いつ襲ってきてもおかしくないね
皆、静かに息を飲む。だがテヨンはどこか余裕そうだ
テイル
テイル
でも、1個安心して欲しいことがある
皆の緊張を感じ、テヨンの余裕を代弁するようにテイルが発言する。
テイル
テイル
ウチと同盟を結んだ組織は全部、アヴィリオと絡んでいない。契約の話が来てもみんな蹴ったそうだ。
それはすごい…!

テイルの言葉に皆の表情が少しほぐれた。

この世界は嘘と裏切りがつきもの、それが勝利条件のような世界で裏切りが無いなんて…

テヨン、彼が見込んだ人物たちだからだろうか。流石だ…
ジェノ
ジェノ
あ、そうだテンイヒョン、昨日の敵はどうなりましたか?
テン
テン
えっとね、クンヒョンに渡した
クン
クン
ああ、ウィンウィンと一緒に尋問したよ
ウィンウィン
ウィンウィン
昨日の彼らはアヴィリオの傘下になった小団体でした。最近起きてる爆発は「警告」らしいです
ユウタ
ユウタ
ハァ…舐めた真似しやがる…
ジェミン
ジェミン
これ以上、奴らの好き勝手にさせてられないですね
ドヨン
ドヨン
これ以上仕事が増えたら無理なんだけど
ジャニ
ジャニ
売られた喧嘩は買わなきゃなぁ
ドヨン
ドヨン
これ以上仕事が増えたら無理なんだけど
ルーカス
ルーカス
oh!!!!!!!!!!!!!!!!!!!楽しくなりそう!!!!
ドヨン
ドヨン
これ以上仕事が増えたら無理なんだけど
テヨン
テヨン
じゃあ、これからの目的は




・敵の拡大を阻止する

・敵の正確な勢力、関係、収入源の把握

・敵勢力を削ぐ

・我々サイドの同盟を結束させる

・決戦までの準備をする




って所かな
テイル
テイル
そんな所だね
ヘチャン
ヘチャン
急速に拡大をした敵組織なら付け入る隙がありそうです。大事な契約をすぐ結ぶものは、すぐに裏切るから。
テヨン
テヨン
その通り。口約束って可能性もあるしね。

さあ、各自自分たちでできる仕事をやってくれるかい?
ジェヒョン
ジェヒョン
俺たちは敵の情報を探しましょう。
チョンロ、ジェノ。

あとシャオジュンとヘンドリーも力を貸してくれ
シャオジュン
シャオジュン
はい!ヒョン
ヘンドリー
ヘンドリー
索敵ですね〜分かりました〜
5人は席を立つとテヨンに一礼して部屋を出ていく。

組織の中で情報収集に優れた者たちばかりだ。

いよいよ本気らしい。
ドヨン
ドヨン
はぁ……僕達は患者が待ってるのでもう行きますね。一眠りしてから取り掛かろう
ソンチャン
ソンチャン
失礼します
重い足取りで部屋を出ていく2人。これからのことを思うと気が滅入るだろうなぁ
チソン
チソン
色々準備が必要みたいですね、やってきます
ヤンヤン
ヤンヤン
あ、チソン!僕の破損した槍見て欲しいんだ
チソン
チソン
分かりました!行きましょう
ヘチャン
ヘチャン
僕達は作戦だね〜ロンジュナ、ご飯食べに行こ
ロンジュン
ロンジュン
よくこの状況で飯が食えるな…
ユウタ
ユウタ
第一部隊、訓練をするからこの後闘技場に集合してくれ
ジャニ
ジャニ
第二部隊も訓練だ!俺らはホールに集まってくれ
続々とメンバーが部屋を出ていく。

それを見届けるとテヨンはテイルとジョンウと何かを話しながら自室へ戻って行った。

僕は今日の会議の内容をまとめた資料を作成する。

とうとう始まるのか…少し怖いが彼らは行き場のない僕を拾ってくれた恩人だ。

僕にできることは小さいが、彼らのために命を捧げよう。

そう決意した

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