第111話

五班
5,439
2021/05/04 03:29



五班の任務は、この前偽本部を爆撃した主犯の
アヴィリオの幹部及びその部隊を潰すこと













ジェノとジェミンは作戦書を貰ってすぐに
アジトの一室に集まった











ジェミン
ジェミン
さーどうするう?
ジェミン
ジェミン
僕らの任務はこの幹部の暗殺だけどお
こいつがどこにいるのかわかんないんでしょ?
ジェノ
ジェノ
そう
ジェミン
ジェミン
ヤッベエエェェエエじゃん
ジェノ
ジェノ
ヤッベエエェェエエよ
ジェノ
ジェノ
でも、このアジトの内部のどこかにはいるってのは確実だよ
ジェミン
ジェミン
そーなんだけどさあ
俺が配置されたのは即ち”静かに殺せ”ってことじゃん
ジェノ
ジェノ
そうそう、こいつは情報に精通した幹部
うちで言えばあなたヒョンやチョンロみたいなポジションだから
下手に攻撃すれば変なツテで変なところから援軍を呼ばれかねないからね
ジェミン
ジェミン
静かに殺すには、ぴったり場所がわかってないと心配なんだよなあ
俺泥沼の殴り合いになると持久力無いし
ジェノ
ジェノ
そっかぁ....
ジェミン
ジェミン
全く!ヘチャンもロンジュンも無理ばっか言いやがってぇ
ジェノ
ジェノ
でもあいつらが僕らに任せたってことは僕らだったらできるってことなんでしょ
ジェミン
ジェミン
それは間違いない
ジェノ
ジェノ
うーーん、でもどうしよう見当がつかない、、、



2人は頭をうんうん言わせながら束になった資料を読み漁る


2人が任された現場は、どの班の中でも一番情報量が少ない
相手が情報のプロとなってはどうしてもつかめない足取りの一つや二つだってあるのだ




この件に関しては情報がない以上、天才参謀となれども判断に困る




そんな中その天才参謀は、その難しい現場をこの2人に任せたのだ









ジェミン
ジェミン
なあ、ヘチャンとロンジュンからなんて言われた?
ジェノ
ジェノ
...「2人の間ならなんか出てくるんじゃない?」って
ジェミン
ジェミン
同じくだわあ




「2人の間ならなんか出てくるんじゃない?」






参謀たちは僕らに何を望んでいるのか?



2人はそのことに視野を移して重点的に考える







他のメンバーよりも「夢」の一員として長く一緒にいる僕ら
彼らは日々の僕らの様子を見て、僕らに何を見出しているのか?




何が彼らに「僕らならやり遂げられる」と思わせているのか








おそらく参謀なら大体だが 仮説 程度ならもうとっくに立てているはずなのだ
情報がない中ではそれなりに精度と質が高いものを


でもそれを伝えないのは






この2人にその仮説以上のものを期待しているから


















ジェノ
ジェノ
ジェミン
ジェミン
お?
ジェノ
ジェノ
いいこと思いついた...
ジェミン
ジェミン
を!まじ??
ジェミン
ジェミン
ナニナニ
ジェミン
ジェミン
ネェなにい
ジェミン
ジェミン
ネエネエネエネエネエネエ
ジェミン
ジェミン
ねえまじでナニヨオオオ
ジェノ
ジェノ
ジェミン
ジェミン
ジェミン
だから何って言ってんじゃん
ジェノ
ジェノ
作戦コード37を使おう


ジェノがそう言った瞬間、

今までおちゃらけていたジェミンの顔つきが一気に強張った


ジェミン
ジェミン
え........?
ジェミン
ジェミン
本気...なの..?
ジェノ
ジェノ
本気だよ
ジェノ
ジェノ
ほら、ここの情報
もしこの通りに行ったらうまいこと突けるかもしれない
ジェミン
ジェミン
た、確かにそうだけどさっ...
ジェミン
ジェミン
でもこれは...
ジェミン
ジェミン
お前が危険すぎるだろっ...!!
ジェノ
ジェノ
でも、これ以外にいい方法ある...?
ジェミン
ジェミン
ない....
ジェミン
ジェミン
いや!探す!探すもん!!!



とは言って資料をがさがさ漁るものの

時間が経っても一向にいいアイデアは降ってこなかったようだ



ジェミンはガックリ肩を落としてため息をつくと

何かを考えるように目を瞑る







そして
また再び大きなため息をつくと、目を開く




アイデア探しを諦めたその目は

何か覚悟を決めたような目つきだった






ジェミン
ジェミン
ジェノ、本当にやるんだな
ジェノ
ジェノ
やる
ジェミン
ジェミン
俺を、信じてくれる?
ジェノ
ジェノ
もちろん
とっくに信じてるから言ってるんだよ



ジェノはニコッと天使のような微笑みを向ける



ジェノ
ジェノ
ジェミナ
僕を信じて
ジェミン
ジェミン
わかった、信じるよ




































作戦当日









今夜はいつもより冷える





ジェミンはふうっと息を吐くと目の前にそびえる建物を見つめる

この一見どこにでもありそうな五階建てのビルは
実は地下に7階ほど存在しているマフィアのアジトなのだ





ジェミンは丁寧に、自分の愛刀を優しく拭くと腰のケースにしまう

この刃渡り15センチほどの短刀と
そのほかに忍ばせたたくさんの刃物たちは


今から敵を単体で殺しに行く彼を唯一守ってくれる






愛おしそうにそのナイフたちを覗くと
ナイフはそれに答えるかのように、蛍光灯の光を反射する











今のジェミンに、いつものようなちゃらけた雰囲気は無い










神経を研ぎ澄まし、集中している










まるで彼自身が鋭い刃のような雰囲気だ














外でバックアップをする構成員も、そうなった彼にはもう話しかけない

ジェミンたちはただ、少し曇った夜空を見上げながら
作戦開始の合図を待つ



















午後9時


作戦開始を知らせる合図が静かになったと思えば


さっきの定位置にジェミンの姿はなかった










ジェミンはもう、音もなく
10m先の進入路に差し掛かっていた










































ジェミン
ジェミン
待ってろジェノ、必ず行くから

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