第86話

解体と再構築
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2021/07/29 04:20





参謀本部、室長室






ここでは普段はヘチャンとロンジュンが仕事をしている部屋だが







他の部屋とはひと味違う










窓は無く、換気扇も厳重に何層も重なった果てにフィルターが貼られているし



防音壁で覆われ

特定の人しか入れない







特定の人物とは幹部とあなたのみで



彼らの虹彩、指紋等の生体認証とパスワードが無いと入れないのだ







こんなにセキュリティが厳重なのはテヨンの部屋と地下にある機密事項など重要な書類を保管する情報保管庫ぐらいしかない











この部屋では、組織の中核となる重要な会議や作戦が立てられる部屋だからだ。









今ここにいるのは「夢」










対アヴィリオの作戦構築も最終局面を迎えている

































ヘチャン
ヘチャン
へ〜〜〜面白いね
ロンジュン
ロンジュン
うん、大体僕らの筋書き通りって感じ
マーク
マーク
お前らの頭がおっかないわ
ジェノ
ジェノ
何とかアヴィリオと同等の土俵に立てたね
チソン
チソン
まあ、無理やり立たせた感じですかね
ジェミン
ジェミン
無茶な所も多かったけど何とかなってよかったわァ
ロンジュン
ロンジュン
でもまだ安心しちゃダメだよ

敵はアヴィリオだけじゃないんだから
ジェノ
ジェノ
アヴィリオ、SWA、警察…
ヘチャン
ヘチャン
でもそっちの方も何とかなってくれそうだね
チョンロ、SWAはどう?
チョンロ
チョンロ
付け入る隙なら結構見つけたけど
その隙を同時に何ヶ所か一斉に突かないとSWAはコケないと思う

大金持ちの企業で、しかも海外だ
もし転ばす順番があるんだったら最後がいいかな
ロンジュン
ロンジュン
成程ね
優先順位としてはアヴィリオ、警察、SWAってことで確定か






チョンロの言う通り、SWAは警察よりも転ばすのに苦労するだろう



警察は、市民の生活に直結しているのでみんな他人事とは思えないので世論の目が厳しい

不正を正しいかつ効果的に公表すれば意外に簡単に対処が出来るだろう












しかしSWAの場合そうはいかない



世界的な企業であり、稼いでいる為SWAの不正が発覚したら世界中の株主が黙るはずもなく

きっと彼らが対処出来ないくらいの規模で事態を隠蔽してくる










彼らは今回の作戦を【ドミノ作戦】と称している








世界規模な会社や国家に密接な警察、裏組織から色々な所に根を張る組織に




奴らから見れば限りなく小さい規模のNCTは対抗しなければならない











「ドミノ」をご存知だろう










ドミノは最初は一円玉位の軽くて小さなサイズのものからスタートしても


その大きさを徐々に広げていけば













5m位の鉄板だって薙ぎ倒しうるのだ















「ドミノ」というのはそう言う所以だ

彼らはそのドミノ倒しを試みようとしている

























ヘチャン
ヘチャン
さーこのドミノ作戦だけど
ジェミン
ジェミン
ドミノ作戦って誰が名前付けたんダサない?
マーク
マーク
それな
チソン
チソン
かなりダサいです
ロンジュン
ロンジュン
ネーミングセンス無さすぎるな誰やねん
ヘチャン
ヘチャン
俺や泣くぞ
チョンロ
チョンロ
さすがっすね(笑)
ジェノ
ジェノ
ヒョン流石だわ〜
ヘチャン
ヘチャン
もうやめようかな
ジェミン
ジェミン
拗ねないでくださいよヒョォン🥺
ヘチャン
ヘチャン
可愛くねえぞ
ロンジュン
ロンジュン
まあまあ
会議続けるよ2人とも
マーク
マーク
で、結局僕達がすべき事って何?
ヘチャン
ヘチャン
僕達がすることは1つ
ヘチャン
ヘチャン
「全てを懸けてアヴィリオを潰すこと」
ヘチャン
ヘチャン
きっと、これは僕達にとって最期の作戦になる
ロンジュン
ロンジュン
…正直、この作戦に参加する半数以上は帰って来れないと思う

幹部ももう全員集まれないかもしれない
ロンジュン
ロンジュン
それでも今やるしかないんだ
今しか、俺たちにしか出来ない









部屋にサーッと緊張した雰囲気が流れる










今まで、自分の居場所や大好きな仲間を守る為に戦ってきたが








彼らはそれを棄て、もう二度と同じ悲劇が繰り返されないように

命を懸けて悪の芽を摘む道を選んだ
















大好きな人にもう二度と会えなくても











自分達と同じ目に逢う人を出したくないのだ























ヘチャン
ヘチャン
そして今回の作戦でもう1つ大切な点がある



……………
僕達がもしいなくなっても警察とSWAを倒す為の切り札

ジェヒョニヒョンとチョンロを
「守る」こと
チソン
チソン
最低でもこの2人さえいれば、警察とSWAは倒せる…
ロンジュン
ロンジュン
ごめんねチョンロ、こんな大役任せてしまって
チョンロ
チョンロ
いえ。必ず僕がトドメを刺します







チョンロの強い言葉に、みんなの表情が少しほぐれる






彼になら、命を預けれる










会議を終了し、みんなが出ていくと部屋にはロンジュンとヘチャンが残った







2人は同じソファーに腰をかけている





















〈ヘチャンside〉














ロンジュン
ロンジュン
…やっと言えた
ヘチャン
ヘチャン
なんか少し肩の荷が降りた気分…
ロンジュン
ロンジュン
はぁ…疲れた……
ヘチャン
ヘチャン
ロンジュン最近寝てないでしょ
ロンジュン
ロンジュン
まあ…
ヘチャン
ヘチャン
ご飯も食べてないでしょ
ロンジュン
ロンジュン
………何で分かったんだよ
ヘチャン
ヘチャン
ロンジュンの事なら大体分かる




前にロンジュンから言われたセリフをお返しする




ふんっ、伏線回収(貼ってすらないけどね)












…なんで分かったか、なんて見ればわかるよ












顔色も良くないしなんだかぼーっとしている印象だし


目を閉じてよくうつらうつらしているし













ソファの背もたれにどっしりもたれかかっているロンジュン












背もたれの高さが足りなくて首がうしろに落ちそう





強調された首筋は、喉仏と骨が浮き出ていて色っぽい












そんなに細いのにご飯食べなくてどうすんのさ…









ヘチャン
ヘチャン
僕はね、心配なのよ!
ロンジュン
ロンジュン
僕が?
僕なら大丈夫
ヘチャン
ヘチャン
大丈夫じゃないよ〜てかお前が大丈夫でも僕が嫌なの!
ロンジュン
ロンジュン
なんでよ
ヘチャン
ヘチャン
だってロンジュンは僕のだもん

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