参謀本部、室長室
ここでは普段はヘチャンとロンジュンが仕事をしている部屋だが
他の部屋とはひと味違う
窓は無く、換気扇も厳重に何層も重なった果てにフィルターが貼られているし
防音壁で覆われ
特定の人しか入れない
特定の人物とは幹部とあなたのみで
彼らの虹彩、指紋等の生体認証とパスワードが無いと入れないのだ
こんなにセキュリティが厳重なのはテヨンの部屋と地下にある機密事項など重要な書類を保管する情報保管庫ぐらいしかない
この部屋では、組織の中核となる重要な会議や作戦が立てられる部屋だからだ。
今ここにいるのは「夢」
対アヴィリオの作戦構築も最終局面を迎えている
チョンロの言う通り、SWAは警察よりも転ばすのに苦労するだろう
警察は、市民の生活に直結しているのでみんな他人事とは思えないので世論の目が厳しい
不正を正しいかつ効果的に公表すれば意外に簡単に対処が出来るだろう
しかしSWAの場合そうはいかない
世界的な企業であり、稼いでいる為SWAの不正が発覚したら世界中の株主が黙るはずもなく
きっと彼らが対処出来ないくらいの規模で事態を隠蔽してくる
彼らは今回の作戦を【ドミノ作戦】と称している
世界規模な会社や国家に密接な警察、裏組織から色々な所に根を張る組織に
奴らから見れば限りなく小さい規模のNCTは対抗しなければならない
「ドミノ」をご存知だろう
ドミノは最初は一円玉位の軽くて小さなサイズのものからスタートしても
その大きさを徐々に広げていけば
5m位の鉄板だって薙ぎ倒しうるのだ
「ドミノ」というのはそう言う所以だ
彼らはそのドミノ倒しを試みようとしている
部屋にサーッと緊張した雰囲気が流れる
今まで、自分の居場所や大好きな仲間を守る為に戦ってきたが
彼らはそれを棄て、もう二度と同じ悲劇が繰り返されないように
命を懸けて悪の芽を摘む道を選んだ
大好きな人にもう二度と会えなくても
自分達と同じ目に逢う人を出したくないのだ
チョンロの強い言葉に、みんなの表情が少しほぐれる
彼になら、命を預けれる
会議を終了し、みんなが出ていくと部屋にはロンジュンとヘチャンが残った
2人は同じソファーに腰をかけている
〈ヘチャンside〉
前にロンジュンから言われたセリフをお返しする
ふんっ、伏線回収(貼ってすらないけどね)
…なんで分かったか、なんて見ればわかるよ
顔色も良くないしなんだかぼーっとしている印象だし
目を閉じてよくうつらうつらしているし
ソファの背もたれにどっしりもたれかかっているロンジュン
背もたれの高さが足りなくて首がうしろに落ちそう
強調された首筋は、喉仏と骨が浮き出ていて色っぽい
そんなに細いのにご飯食べなくてどうすんのさ…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。