今日は大学が無い
いつも通りアジトに行って仕事に取り掛かる
トイレに行って鏡の前に立つ
左目に入っているコンタクトを外す
違和感が消える
僕が人付き合いをあまりしない理由は友達ができない以外にもう2つある
この体に刻まれた傷と
この青白い左目だ
視力はほぼ無い目立つだけの左目
どちらも虐待の跡。
敵に身体的特徴を掴まれたくないのもあるが、
こんなもの一般人なんかに見せたら余計怖がられるだろう
そもそもコンプレックスだ。
出来るだけ見せたくない
とは言っても目が疲れてる。
どこにも出かけないし今日は外しとくか…
僕がアジトでコレを外せるのは、幹部の人たちは僕の目を好きだと言ってくれるからだ。
彼らは気味悪がらなかった
正直、とても救われている
僕がこれを外すのは信頼している証拠だ
まあ、構成員とはすれ違う度に視線を感じるが、それはそうだろう。
仕方が無いと割り切っている
僕は目が見えやすいように髪をよける
ジャニヒョンは少し腰を曲げると
僕の後頭部を手で支えて顔をぐっと近づけてくる
近い近い近い
ジャニヒョンが頭をポンポンと撫でてくる
なんだかお父さんみたいだ
昔の僕はこの目を見るだけであの時のことを思い出してしまい、
自分でも見ようとしなかったし、人になんか頑なに見せようとしなかった
ヒョンは僕を軽くハグすると行ってしまった
また少し歩いてると
僕の目をマジマジと見るドヨンヒョン。
診察用のライトを当ててきたりして超眩しい…
そこから歩く度に色んな人に話しかけられた
すごい褒められまくる………
コンタクトを取った日はいつもそうだ
最初は大嫌いなこの目も、彼らが褒めてくれるから少しずつ好きになれてきているし
僕がこの目を愛してあげられない分も彼らが愛してくれているので安心する
いきなり右に体を引っ張られた
左側を見てみると足元に重そうな荷物が置いてあった
お言葉に甘えてテンイヒョンに送って貰う
カラコンとは言っても度入り
度が入っていても視力は0.01にも満たないが無いよりは全然マシなのだ
外した今はご覧の通り光と影の判別が着く程度にまで視力が落ちる。
この話を前にめちゃくちゃ目の良いヘンドリーにした時はすごく不思議そうだった
そう言うとテンイヒョンは右にカクっと曲がると別の通路を歩いていく。
ここは…神威のメンバー達の部屋に行く道だ
幹部は基本的にアジトに住んでいる。
中でもイリチル、弟組、神威は共同生活だ
そう言ってる間に着いた。ガチャっと扉を開けるテンイヒョン
すると2匹の猫がトトトトっと近づいてくる
かわいい〜!!!!
僕的にはあなたの方が猫っぽいと思います
猫が3匹いるのかと思いました。とは言えず
2匹は僕を不思議そうにマジマジとみてくる
目が合う。確かに少し似てるかもしれないな
しばらく撫でて、お菓子をあげさせてもらったりしたら抱っこできるぐらいまで懐いてくれた
2匹を一緒に抱っこしてると
パシャ
っとシャッター音が聞こえた
パシャ
匹…?カウントされた?今
テンさんに写真を見せてもらう。
確かにいい写真だな…
僕達が猫と戯れてると奥から人が出てきた
寝起きもイケメンルーカスだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!