ここはアヴィリオの通信室
ここにあるPCは他とない特殊なものだ
このPCに書いてある文字も他とないもの。つまりSWAとアヴィリオがやりとりをする時にだけ使われる世界一使える人数が少ない言語だ
アヴィリオ、SWA内でも使えるものはほんの一握りで5人もいないくらいだろう
この言語の解析は本当に苦労した
データが送られた時にその意味不明な文字データをわざわざここに潜入してコピーし
そのデータが送られた後にSWA、アヴィリオで変化したことを些細なことでもいいから書き出す
それを繰り返していくうちにじわじわと言葉を翻訳していった
全く、人身売買ビジネスを成立させるためだけに言語を一つ作ってしまうなんてその周到ぶりには狂気を感じるし、一周回って尊敬しそうだ
ほんとに、潜入だけでも大変なのにそこからバレないように解析しないといけないので本当に大変だった
不審に思われたら終わりなので見張りも護衛もおけない。
今までばれなかったのが奇跡でしかない
正直いつばれてもおかしくないから。
でもその苦労のおかげでSWAとアヴィリオの悪事に終止符を打つことができる情報が手に入った
この情報がなければむしろ全て終わらせることができないだろう
僕は解析を終えて片付けをする
この情報をみんなが分かる文字に起こすのは後だ
そんな時間はないから。今は早くここを脱出しなくてはならない
僕はテイルヒョンとあなたヒョンに解析終了を示す信号を送る
とその時
遠くからこちらへ数人の人が歩いてくる音が聞こえた
どんどんこちらに近付いてくる
まずい......!
よりによってなんで今なんだよ!
もう音はすぐ近くだ
もう間に合わない。
そう感じた僕は近くの窓から
外へ飛び降りる
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。