コンコン
車に乗り込んだ途端鳴り響いた音に少し驚いたが
それを鳴らした張本人見つけ、少しホっとする
窓ガラスを少し開けて話しかけた
それだけだったらメールでいいだろ
口に出ていたか、
そろそろ眠いし、帰りたいな...と思う
俺はつい小山に言ってしまった
はっきり言ってさっさと帰りたい。
そんな俺とは裏腹に小山はのんびりとした口調で話し始めた
なんでも小山の話では
今日タクシーで来たけど、帰りの分のお金をもっていない上
携帯の充電が切れてしまった....らしい。
少し考え、小山に提案をもちかける
あまり気の進むものでは無いが__
気の進まない俺の提案に小山はパっと顔を上げた
すると今度はパァっと顔を輝かせた
悪いが可愛いとは思えない、
乗り込みながらさらっとそんな事を言ってくるが
こんな言葉にさえ吐き気を催してしまう
その言葉を聞いてキーを差し込んだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。