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第9話

1,750
2020/01/25 12:03
目を開けるとカーテンからの日差しが一番最初に入ってきた

もう昼近いのかもしれない。

起きたくても体がだるくて動くことさえままならない
小山慶一郎
小山慶一郎
起きた??おはよ
上からいきなり聞こえ、顔を僅かにあげる
増田貴久
増田貴久
....小山..........

ぼーっとしていて気が付かなかったが

俺は小山に頭を抱えられて眠っていたようだ。
増田貴久
増田貴久
ここは....寝室......?
小山慶一郎
小山慶一郎
そ!!昨日あの後まっすー寝ちゃったからここに運んだの

あの後..........っ!!

思い出した、俺は昨日小山に.....

昨日の吐き気が戻ってきた
小山慶一郎
小山慶一郎
可愛かったよ??昨日のまっすー

クスクス笑いながら小山は言った

とにかく逃げたい

思い切り体を起こし逃げようとしたけど
小山慶一郎
小山慶一郎
こらこらっ、何してんの〜

すぐに小山に捕まり腕の中におさめられた
増田貴久
増田貴久
帰る、
小山慶一郎
小山慶一郎
なんで??

驚いたような、笑ったような声で言われた

理由なんてわかってるくせに
増田貴久
増田貴久
なんでも、帰る、

文脈あってないな、と思いながらもまた体を起こす

腰がだるく痛い
小山慶一郎
小山慶一郎
はぁ...........

昨日と同じため息が背後から聞こえてきた

瞬間、頭を思い切り掴まれて無理やり押し倒された
小山慶一郎
小山慶一郎
ねぇまっすー、わかってる??
増田貴久
増田貴久
いった.......何が、?

呆れているのか怒ってるのか、あるいはどっちもなのか
小山慶一郎
小山慶一郎
わかってないなぁ、
増田貴久
増田貴久
だから、なに、......んっ、!?

もう1つため息をつくと文句を言いかけた俺の口を塞いだ

抵抗するにも手首をがっちりと握られて動けない

その時胃から何かが押し上げられる感覚にとらわれ

喉の奥に酸味を感じた

それは喉の奥では止まらず、塞がれている口から溢れ出てきた
増田貴久
増田貴久
ゔえっげほっ...げぇっはぁ..........はぁ.......

空っぽの胃から出てきたのは胃酸だけだったが

その胃酸はベッドのシーツを派手に濡らし

特有の匂いが辺りに立ちこめる

我慢してたのに...............

濡れたシーツが気持ち悪かったが少し希望が芽生える

流石にここまで吐き出せば小山も....
小山慶一郎
小山慶一郎
吐いちゃったか、大丈夫??

だが、俺を見下ろしている小山は心配な表情と一緒に

何処か少し嬉しそうだった

嫌な予感、

小山は俺の唇を指で撫でると
小山慶一郎
小山慶一郎
吐いちゃったのは可哀想だけど、止めたりしないよ??


そういってまた唇を重ねてきた

唖然としてされるがままになっていると

小山はにっこりと笑い
小山慶一郎
小山慶一郎
それにさ、昨日の写真忘れたとか言わせないし
増田貴久
増田貴久
っ..........!!

その言葉で画面に映る俺の姿が鮮明に思い出される

どうしよう.....俺、小山に....弱みを握られてしまった.............

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