結局五条さんの家に来ています
テーブルの向かいに座るサングラスをかけた白髪の男
そのグラサンから除く綺麗な青い眼は、私に溜息をつかせる
珍しいこともあるんだなぁ
私は手に持っていた缶ビールを一口飲んで少し考えた
この問に対し私はなんと答えるが正解なのだろうか
少し酔いが回ってる…
今なら何しても酔ってたからで言い訳ができる
ただ、相手は一応男な訳で
もしものときにコイツから逃げ出せるほどの力もないしな…
しかも私はファ○タ "グレープ" 派だ。
なんかもう眠たいし…どうにでもなれ
缶ビールの最後の一口を飲んでやっと私は口を開いた
多分。いや、絶対
これは酒のせい
テーブルから少し身を乗り出して悟に近づく
鼻先が触れるほどの距離
そのまま自身の口元を彼の唇に寄せた
名前を呼ばれた気がしたけど、懐かしい感触と睡魔には勝てずそのままテーブルに突っ伏した
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朝…か…
五条さんが私に抱きついたまま寝ている…
なんで!?
寝ぼけながらもボソボソと話す彼は可愛い
どこか懐かしさを感じながらも私は彼の腕から抜け出した
やっぱ悠二とちゃんと話そうかな
えっ私昨日なんかしました?
え!?なたなに?怖い怖い
真剣に昨日の記憶を辿ってみる
いや、たしかに酔ってはいたけど…
クツクツと笑う五条さんが悪魔に見える
あーなんで今私はこの人と一緒にいるんだろう
もう辞めたはずだったのにな
やっべぇ、なんか覚えてるっ
あーもー、朝から最悪っ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!