第66話

4,029
2021/03/28 10:16
虎杖悠仁
死ねよ
虎杖悠仁
自分だけっ
虎杖悠仁
自分だけぇ!
虎杖悠仁
死ねっ
虎杖悠仁
今!っ
あなた

悠仁…



悠仁が、何をしたというのか


何故こんなにも惨い地獄をなぜ彼が


冷たい地面に向かって叫ぶ少年に私はなんて声をかけるのが正解なんだろう





虎杖悠仁
あなたごめん…もう大丈夫
虎杖悠仁
行かなきゃ
あなた

悠仁

虎杖悠仁
俺、戦わなきゃ


私の横を通り過ぎて行く彼の目は覚悟をもっているような…





あなた

悠仁っ…





追いかけなきゃ…





彼を1人にしちゃいけない










分かってる




分かってるのに







もう誰も失いたくないのに









今あの子の後を追わなきゃ


もう会えない気がした





なのに私の足は動こうとしない







あなた

動けよ…

五条悟
あなたはさ
…っ…悟?
五条悟
すぐ無理するとこがあるから気をつけなよ
あなた

悟…じゃあ、私、どうしたらいい?

あなた

怖いの




過去へ戻って、足掻いても未来は変わらなかった






傑も悟も救えなかった







じゃあ、私はなんであの時、なんの意味があって飛んだの?








私はなんの為に存在してるの?







分からないことが多すぎて






何もかもが怖くて







あなた

ここから逃げてしまいたいの

五条悟
いいんじゃない?
あなた

でも、そんなこと出来ないよ

五条悟
じゃあ、頑張りなよ
あなた

意地悪…

五条悟
あなた
五条悟
もし、君の時間が止まっても僕が何度でも動かしてあげる
あなた

…っ

あなた

バカ




私は、狂ったら止めてって…言ったんだよ














死んだんじゃないんだから…亡霊みたいに出てこないでよ…










そこにもう彼の姿はなかった





あなた

今行くから



止まっていた足は前へ踏み出されていた






















あなた

うっなにこれ



改造人間の死体の山



呪霊のようには消えないソレはやはり元人間とは思えない










その中に1つ…



見知った腕を見つけた





















あなた

なな…み…?




刀身がぐるぐる巻きの刀が握られた右腕


その近くに落ちている下半身に履かれているスーツも靴も






1級呪術師七海建人のものだと分かるのに


そう時間はかからなかった








あなた

悟…



誰もいなくなっちゃうよ









落ちていた骨の中で1番小さなものを自身のポケットに入れて、私は悠仁のあとを追った






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作者
作者
えっと、この小説の15話あたりを読んでいただくと、あなたと悟の話と繋がってます…

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