ころんside
時計を見ると、8時半を指していた。今日は10時から会議だっけ?準備しなきゃな。そう思い、起き上がって着替え始める。パジャマを脱ぎ、下を見るとCカップあるかないかほどの胸がある。
そう、すとぷりの水色担当の僕、ころんは正真正銘の女の子だ。別に、体が女性で心が男性とかじゃない。普通に心も体も女の子だ。じゃあ、なんでわざわざこんなこんな格好をしているかって。それはね過去のことが原因なんだ。
ーーー13年前ーーー
僕はその時までは普通に女の子として生活していた。お父さんは、女の子じゃなくて男の子が欲しかったみたいだけど、とくにそれまではなんも支障はなかった。というか、お父さんは財閥の後継ぎが欲しかっただけだと思う。お母さんは、僕の味方で
などと、味方してくれていた。けれど、小6の終わりらへんの2月、事件が起きた。ある日、学校から帰ると珍しく父さんが家にいた。
本当は嫌だと言いたかった。けど、死ぬのは怖い...だから、弱い僕はこういうんだ。
そういうと、父さんは部屋を後にした。
そのあとに母さんは泣きながら謝ってくれた。
それから、僕は心の底から笑うことがなくなった。そして、男の子として過ごし気づいたらもう大学も卒業する時期になり、なーくんに誘われすとぷりに入った。もちろん、父さんは反対した。なーくんに直接あって辞めさえようともした。そんなとき、ついに母さんがしびれを切らし、父さんと離婚して僕と母さんは解放された。もう、僕は男の子のふりをする必要もなくなったが、まだメンバーにいえてないんだよなぁ。
ーーー現在ーーー
隠さなきゃ...
ーーー主とーくーーー
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。