某日グルなんちゃらこと、総領は仕事に追い込まれていた。
普段は一秒でも長く続けて居たいと言う大好きな戦争に出ず、机へと向かう事早三徹目。其れ程にこの案件は重要な事なのだ。
筆を持つ手はとうに限界を超え、思考回路は停止寸前。何せ、ほぼ何も飲まず食わずの飢餓に加え睡眠時間を削りに削ったこの勝負時。所謂、満身創痍だった。
その時、ふとドアの向こうからノック音がする。
書記長のトントンだ。普段は仕事を真面目にしろと総領を責め立てる係として補佐に着いているが、今回の案件は総領自らがしなければいけなく、周りの任務や仕事の彼是はほぼこの男に任せている。
声を掛ける書記長を他所に、体力の限界を感じる総領は取り敢えず頭をリセットさせようと
と掠れた声で返事を返した。立ち上がろうとするも力が入ら無い様でフラリとよろけて居るのだ。
心配そうに肩を貸す書記長に身を任せ硬い事務用椅子から柔らかい来客用のソファへと座り込み、反対側に座ろうとしたトントンだったがこの状態では何時この人が倒れるか分からないと察し隣へと座った。
眼鏡を外し傍に置けば言葉を発さずぐったりとソファに寄り掛かるのを見て、
と焦った様子である。
なんとか起き上がり口におにぎりを突っ込む。
普段ならもきゅもきゅとセルフ擬音を入れる所だがその余裕も無いほど心身共に疲弊して居た。
幾分か顔が緩むのを見て安心する、
するとぼーっと何処かを見ていた総領がふと書記長の方を向いた。眼鏡を掛けて居ない彼にドキリとするも表情で覆い隠す。
反応がワンテンポ遅れるも返事をする、
予測していなかった言葉を発され、そういえばその男は甘党だったと頭の縁で思い出す。立ち上がろうと腰を浮かせるが服の裾を引っ張られバランスを崩す。自分が総領を押し倒して居る様な体制になり、
と成形を建て直そうとするが頭を抑え込まれ
口が、触れる。
音が敏感に聴覚へと伝わる。口内を犯されて漏れる声に顔が熱くなる。
離される口に切なくなる。名残惜しいなんて柄にも無いが思ってしまう。
起き上がれば自分が馬乗りに成ったまま状況を問い詰め様とするも
言葉の途中で遮られ総領が話す、
そう述べた途端にパタリと睡眠に入ってしまう。
口元を覆って乱れた呼吸と心臓を抑え、もしかしたら自分と同じ感情を持って居るかも知れない、と微かな期待を持って。
毛布を掛けてやれば机上にりんご味の飴を置き、部屋を後にした。
その後、トントンの粛清という名の仕事地獄がグルッペンを襲ったのは言うまでもない。
その後、どうなったのかはまた何時か。
✁ ✃ ✁ ✃ ✁ ✃ ✁ ✃
長ぇ。(小並感)短編とは。(小並感)
書き始めると止まらんのですごめんなさい(´TωT`)
トン氏は攻めも美味しいけどグルトンが美味しすぎるからいけない。(切実)
りんごの飴は意味調べてみてください!(、)
リクエストあれば…書く…かも??
誰と誰でこういう感じの話!みたいなの欲しいです!!(来ない)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!