第10話

10.
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2021/02/14 06:46
あれから僕達が学校に着いた途端、

ボノニは僕の隣から女の子たちに引き剥がされる。

やめてって言いたいけど…

僕がやめてと言う立場ではない。

だから僕は黙ってその様子を見つめるだけ。

この時が1番、嫌いだ。

どうして僕が隣に居ても平気に連れていくんだよ。

…しょうがないか。
スングァン
スングァン
ボっ…ボノナ、行っとくね、!
バーノン
バーノン
…えっ、あ、ちょ
バーノン
バーノン
スングァナ…!
僕が声をかけると、ボノナは囲まれている中から無理に押し抜けてきた
スングァン
スングァン
あっ、いや…話してて大丈夫だよ?
一気にその場から居なくなったボノニを見て女子達はざわめく。

“えっ、ちょ、バーノンくんどこ行くのー?”

“ねえまだ連絡先もらってない!”

そんな言葉が飛び交ってるのに気にもせずに走ってくる。
スングァン
スングァン
ボノナっ…?
こっちに向かってくる途中でボノナは誰かに腕を掴まれた。

あの中の1人の女の子だ。
バーノン
バーノン
…なに?
女の子
ねぇ、まだ話終わってないんだから一緒に行こうよー!
バーノン
バーノン
話?
女の子
うん、まだ彼女居るかも聞いてないし〜
スングァン
スングァン
っ…、
女の子
連絡先もらってない!
バーノン
バーノン
あっ…、そのごめん、
バーノン
バーノン
俺 別に誰とも仲良くなる気なくて…
バーノン
バーノン
あと、彼女も居ないよ、
女の子
えーそうなの?!
女の子
こんなイケメンなのに?
彼女が居ないとわかった瞬間に喜ぶその子は本当に何の空気も読めなさそうだ。
バーノン
バーノン
ごめん…、俺スングァニと行くから、笑
まだ話の途中なのにボノナは無視して戻ってきた。
スングァン
スングァン
よかったの…?
バーノン
バーノン
え?
スングァン
スングァン
いや、あの子達…
バーノン
バーノン
だって…、スングァニと行くし
スングァン
スングァン
ぼ、僕は大丈夫なのに、笑
バーノン
バーノン
俺が大丈夫じゃないから〜 笑
スングァン
スングァン
は、何それ…//
バーノン
バーノン
ほら、遅れちゃうんでしょ ?
スングァン
スングァン
あ、そうだよ!
スングァン
スングァン
早く行こ!
なんて言いながらも胸の中はずっとドキドキしたまま。

でも僕、あの子達に恨まれないかな…笑
バーノン
バーノン
セーフ
スングァン
スングァン
いやほぼアウト…
また、教室に着いたのは遅刻1分前、、
スングァン
スングァン
あーもう、ボノナのせいで僕まで遅れちゃうよ!笑
バーノン
バーノン
あの子達のせいにしといてよ 笑
スングァン
スングァン
ううん、モテるボノナのせいだね
スングァン
スングァン
あの時に僕を待たせたのが悪いんだよー!!笑
って怒ってるけど、正直止めてくれて嬉しかった。
バーノン
バーノン
だってスングァニしか友達居ないんだもん 笑
スングァン
スングァン
っ…//
スングァン
スングァン
友達…増やせばいいじゃんっ、
バーノン
バーノン
え?
バーノン
バーノン
…増えて欲しい?
スングァン
スングァン
…別に?
バーノン
バーノン
そっか 笑
一瞬、君の顔が曇った気がした。

そして僕は本音を言えなかった。

僕以外と仲良くならないでって。

醜いでしょ?

自分でもわかってる。

でも、こういう気持ちは抑えられないんだよ。

君に夢中になってしまった僕には。

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