あれから僕達が学校に着いた途端、
ボノニは僕の隣から女の子たちに引き剥がされる。
やめてって言いたいけど…
僕がやめてと言う立場ではない。
だから僕は黙ってその様子を見つめるだけ。
この時が1番、嫌いだ。
どうして僕が隣に居ても平気に連れていくんだよ。
…しょうがないか。
僕が声をかけると、ボノナは囲まれている中から無理に押し抜けてきた
一気にその場から居なくなったボノニを見て女子達はざわめく。
“えっ、ちょ、バーノンくんどこ行くのー?”
“ねえまだ連絡先もらってない!”
そんな言葉が飛び交ってるのに気にもせずに走ってくる。
こっちに向かってくる途中でボノナは誰かに腕を掴まれた。
あの中の1人の女の子だ。
彼女が居ないとわかった瞬間に喜ぶその子は本当に何の空気も読めなさそうだ。
まだ話の途中なのにボノナは無視して戻ってきた。
なんて言いながらも胸の中はずっとドキドキしたまま。
でも僕、あの子達に恨まれないかな…笑
また、教室に着いたのは遅刻1分前、、
って怒ってるけど、正直止めてくれて嬉しかった。
一瞬、君の顔が曇った気がした。
そして僕は本音を言えなかった。
僕以外と仲良くならないでって。
醜いでしょ?
自分でもわかってる。
でも、こういう気持ちは抑えられないんだよ。
君に夢中になってしまった僕には。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。