いつか私が何気なく放った言葉
私は自分の顔に自信が無い。
壱馬からしたら私より可愛い人なんてたっくさん見てきてる
だから、せめて。
いつも笑っていようと思ったけど…
ごめんね、ごめん。
壱馬を思い出すと涙が止まらない
どんなに好きなところがあっても
好きなところが増えても
この恋は叶わないんだってことは知ってる。
壱馬のことなんて知りたくなかった。
知らなくてよかったのに
だから今日だけは
_______今日だけは泣かせて?
壱馬のゴツゴツした体を見て思うの、
『1度でいいから抱いて欲しかった』
馬鹿だよね、私。
そんなこと出来るはずがない、今の関係を壊すのはやめよう、嫌だ。
そう思いながら抱いて欲しい…なんて。
本当に馬鹿だね
『東京なら私が欲しいものがある』
いつかそんな言葉を聞いたな。
私はそれを信じて、
私の欲しいものを手に入れよう。
そう思って今までやってきた。
どこで間違えたの…?
私の顔に似合わない服でも、
少しでも壱馬の好みに合わせようって
無理して選んで着てた。
壱馬の好みに合わせたら少しでも綺麗に見えるかな…
なんて思ったりしてね。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。