第3話

救世主
1,386
2019/07/05 05:09
授業も終わり皆がそれぞれ
部活や委員会で教室を出ていく。

私も早くお父さんがいる学校に
向かわなくちゃ。
あなた

それじゃあ、私帰るね!また明日!

優愛
優愛
うん、また明日ね~!!
乗る予定の電車はあと10分で
出てしまう。

学校から駅まで15分。

走ってギリギリ間に合うか
間に合わないかの境目。

あなた

お願い!間に合って~~

急いで定期をかざし改札を通り抜け

秒速で階段を駆け上がり

車両に乗ったところでドアが閉まった。


あなた

はぁはぁ……間に合った……

うぐぐ。

そうだ今は夕方17時。

帰宅ラッシュの時間。

人が凄い。息苦しい…




あなた

…!?

どさくさに紛れて痴漢!?

どうしよう…

身動きが取れないから

抵抗出来ない!!!


や、やめて…
あなた

誰か助けて……

塩﨑太智
塩﨑太智
何やってんの。大人気ないことすんなよ。嫌がってるだろ?
そう言い残し男は次の駅でそそくさと
降り去った。

これで終わりだといいけど………


塩﨑太智
塩﨑太智
大丈夫だった?
あなた

全然平気だy………あ、あれ?なんで涙なんか……おかしいな…全然大丈夫なのに。

言葉とは裏腹に浮かんでくる涙。

安心したからかな。

いつもは人前で泣いたりなんて絶対しないのに。

あなた

ありがとう。助けてくれて。もう大丈夫だかr

ーーーーーギュッ
塩﨑太智
塩﨑太智
無理して笑わなくていいから。落ち着くまでこうしててあげる。
あなた

…っ…うっ…ひっく……ほ、ほんとは…ちょっとだけ、こわかっ……た

塩﨑太智
塩﨑太智
うん。よく耐えたね。
あなた

あなたが…たすけて…………くれなかっ…たらっ……わたし……わたしっ

塩﨑太智
塩﨑太智
よしよし。大丈夫。大丈夫。もうあいつはいないから。
彼はずっと私のことを優しく抱きしめながら

頭を撫でてくれて

励まして慰めてくれた。

そのおかげで少しずつ落ち着きを取り戻していった。!
あなた

ありがとう。もう大丈夫だから。

塩﨑太智
塩﨑太智
あんまり思いつめんなよ?あ、そうだ。名前、なんて言うの?
あなた

あなたって言うんだ。あなたは?

塩﨑太智
塩﨑太智
俺は塩﨑太智。よろしくあなた
優しくていい人そうだなぁ。

それにしてもスタイル良いなぁ。

手足長いし肌美白だし身長高いし

モデルさんか何かかなぁ??

あなた

よろしく、太智くん!

後に彼がモデルではなく別の職業だと
知ることになるのは少し先のお話。

プリ小説オーディオドラマ