授業も終わり皆がそれぞれ
部活や委員会で教室を出ていく。
私も早くお父さんがいる学校に
向かわなくちゃ。
乗る予定の電車はあと10分で
出てしまう。
学校から駅まで15分。
走ってギリギリ間に合うか
間に合わないかの境目。
急いで定期をかざし改札を通り抜け
秒速で階段を駆け上がり
車両に乗ったところでドアが閉まった。
うぐぐ。
そうだ今は夕方17時。
帰宅ラッシュの時間。
人が凄い。息苦しい…
どさくさに紛れて痴漢!?
どうしよう…
身動きが取れないから
抵抗出来ない!!!
や、やめて…
そう言い残し男は次の駅でそそくさと
降り去った。
これで終わりだといいけど………
言葉とは裏腹に浮かんでくる涙。
安心したからかな。
いつもは人前で泣いたりなんて絶対しないのに。
ーーーーーギュッ
彼はずっと私のことを優しく抱きしめながら
頭を撫でてくれて
励まして慰めてくれた。
そのおかげで少しずつ落ち着きを取り戻していった。!
優しくていい人そうだなぁ。
それにしてもスタイル良いなぁ。
手足長いし肌美白だし身長高いし
モデルさんか何かかなぁ??
後に彼がモデルではなく別の職業だと
知ることになるのは少し先のお話。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!