ようやく学校へ着いたので早速
お父さんのいる理事長室に向かう。
ーーーーコンコンッ
ーーーーガチャッ
私の聞き間違いかな。
聴力いい方だと思ったんだけどな。
もしかして後ろに誰か
優愛の言う通りになったら困る。
こんな芸能人だらけの学校に
一般人なんて絶対浮くし
ぼっち確定じゃん。
絶対……
ーーーーガチャッ
そういう問題じゃないよお父さん。
私の入りたい読書部は全国で1番本の種類が
幅広くて
本屋さんで買えない本だって置いてある部活。
こんな芸能人だらけのチャラ校で
作ったって本は集まらないんだよ。
そう捨てはいて私は理事長室を
出ていこうとした。
その時勢いよく後ろから手を引かれ
手を引いた相手の方へ半回転する。
どうして惜しげも無く言えてしまうんだろう。
ードクンッー
これはそう。吊り橋効果。
助けてもらったから意識してしまうだけ。
そう思いたい…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!