学校は終わり、あっという間に放課後になった。
太智との待ち合わせ場所は学校の前にある
小さな公園。
ドキドキしながら1歩ずつ地面を踏みしめて
公園へと入る。
見えて来たのはブランコに揺られている太智だった。
1度深呼吸して、ゆっくりと太智のいるブランコに近づく。
途中で歩く砂利の足音と気配でこちらに気づいた様子。
その瞬間から太智は私から目を離さなかった。
目が合ったまま近づいていく距離。
深呼吸したはずなのにまたドキドキ鳴る心臓。
その笑顔は反則だって!!!!!!!!!
太智の隣に腰掛け、ブランコを揺らす。
私の好みを知ってたのか、父から聞いたのか
どの本も興味をそそられるものばかりだった。
でも何でだろうか。
本を多く集めたらとか友達と離れたくないとかもうそんなこと自分に言い聞かせなくても
私素直に太智のいる学校に行きたいって思ってる。
感極まって涙が……
面倒臭いと思われちゃう。
早くとめなきゃ……!!!!
ーーーーギュッ
太智の手が熱い...
触れられた所がじんわりと
暖かくなっていくのを感じる。
ドキドキで胸が苦しいけど
心地よくもあって
“離れたくない”
なんて思ったりした。
そして私は父のいる学校へ編入が決まった。
私の新しい生活が始まる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。