『あの,ヌナって,』
何故かもじもじしながら言う君 .
「何 ,?」
『彼氏とか,居るんですか ,?』
ワンちゃんのようにうるうるした目で見てくる君 .
「もちろん居ないよ 笑」
『やっぱ居ますよね…えっ,居ないんですか ?!』
居ないという言葉を聞いた途端,君の顔が明るくなる .
それを見て期待してしまう .
してはいけないって思ってんのに,どうしても期待してしまう .
『なら,友達からでいいので,僕の彼女になってくれませんか,?』
こんないいチャンスを無駄にしていいのか .
自分がずっと想ってた相手に思われてたなんて夢みたいな事 .
考えるよりも先に返事をしてしまう .
「はい,喜んで !」
今回の恋で絶対に呪いを断ち切るんだ .
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!