第5話

告白された数こそ、個人の潜在的な能力値!
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2021/07/05 03:53
黒雪
黒雪
これも長年の情報統制のたまものか……
黒雪
黒雪
はっきり言おう!
諸君らの中で明るい未来が約束されるのは
きっかり四人に一人のみだっ!
その他の四分の三は普通の高校に行っていればよかったと
卒業時には後悔することになるであろう!
東屋敷 太朗
東屋敷 太朗
きっかり四人に一人……?
東屋敷 太朗
東屋敷 太朗
全く分かりません。
仮に学校側が四人に一人にしか推薦を与えなくても
もらえなかった者が後悔するとは思いません。
もらえなかった者はただ他の高校の生徒と同条件になるだけでしょう
東屋敷 太朗
東屋敷 太朗
同条件でしたら
ハイレベルなこの高校でもまれた方がいいに決まってます
黒雪
黒雪
あー?言うなぁ、東屋敷よ
黒雪
黒雪
しかし、上位四分の一というものが、純粋な個人の能力によって評価されないとしたら?
さらにその評価条件が、頭脳ではないところにあるとしたら?
東屋敷くんもさすがに言葉を失った。
黒雪
黒雪
諸君らが一生懸命将来のため……と努力するのはなぜだ?
金が得たいから、もしくは名誉が得たいからか?
では金や名誉はいったい何のために存在するのだ?
結論を言おう!
黒雪
黒雪
諸君らは、いや全人類は遺伝子のために努力している!
他者を出し抜き、自分をよりよく見せ、内面も外見も磨きたいのは優秀な遺伝子を残したいから!
つまり異性に好意を持たれることこそ、金や名誉では到底太刀打ちできない全人類の潜在的な欲求!
黒雪
黒雪
告白された数こそ、頭脳や成績では表せない個人の潜在的な脳力値!!
東屋敷 太朗
東屋敷 太朗
な……!
セラ
セラ
何言ってんのセンセ!
結越 雷太
結越 雷太
つまりー、男子は女子と付き合いまくればいいってことですか?
黒雪
黒雪
は?
異性不純交遊は禁止だ
結越 雷太
結越 雷太
ええええーーーっ?!
(なまえ)
あなた
(どういうことなんだろう……?)
黒雪
黒雪
解に辿り着けるのは四人に一人だな
遺伝子と異性不純交遊についてよく考えてみろ……
その持ち前の頭の良さでな……
黒雪
黒雪
そうすればこれからどうやっ……三年間振舞っていけばいいのか
ひらめくはずだ
黒雪
黒雪
今日の話はここまでだ。
こんな話を聞いてしまい絶望してる者もいるかも知れんが、 
この場に出席してることじたいは大きな意味を持っている
黒雪
黒雪
欠席した揚塩あげしおとーるにおそらくチャンスはもう訪れまい……
黒雪
黒雪
明日は抜き打ち初テストを行う。
科目は全てに通じる現国だ。
上位者には少しだけ、情報を開示する。
心してテストを受けるよう
黒雪
黒雪
では本日はさようなら
みんなが放心状態の中、黒雪先生は悠々と教室を出て行った。

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