今日は土曜日。
駅前の公園で待ち合わせをした。
まだ来ないかなぁ……
それから私はひーちゃんに連れられ、おしゃれなお店に入った。
思わず声が出てしまう。
マネキンさんに着せられている服はとても可愛くて、バランスがすごくいい。
そして、壁一面にたくさんの服がかかっている。
店員さんもおしゃれな服を着て、接客をしていた。
そう……なんだ。
だから、いつもひーちゃんはおしゃれなのか。
そう言ってひーちゃんが見せてきたのは、白っぽいニットと黒のジャンバースカートのようなもの。
そして、私は少し強引に試着室へ入れられた。
違う……
今までの私とは全然違う!
なんだか、大人っぽくて。
これなら、少しは楽に彪翔先輩の隣を歩けるかもしれない。
私は扉を開けた。
それから、私たちはレジへ向かった。
この服を無駄にしないように、可愛い女の子になれるように頑張らないと。
私は紙袋を揺らし、スキップをしながら帰った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!