第9話

買い物
220
2020/05/15 01:05

今日は土曜日。


駅前の公園で待ち合わせをした。


まだ来ないかなぁ……
稲葉 陽葵
ごめーんっ!待ったー?
桜木 菜乃花
うん、5分くらい。
稲葉 陽葵
あ、ごめん。
桜木 菜乃花
全然いいよ!

それから私はひーちゃんに連れられ、おしゃれなお店に入った。

桜木 菜乃花
すごい……

思わず声が出てしまう。



マネキンさんに着せられている服はとても可愛くて、バランスがすごくいい。


そして、壁一面にたくさんの服がかかっている。


店員さんもおしゃれな服を着て、接客をしていた。

稲葉 陽葵
ここね、私がいつも買うところなの。

そう……なんだ。

だから、いつもひーちゃんはおしゃれなのか。

稲葉 陽葵
あ、水族館でしょ?これとかはどう?

そう言ってひーちゃんが見せてきたのは、白っぽいニットと黒のジャンバースカートのようなもの。

稲葉 陽葵
これ、可愛いって!
桜木 菜乃花
そう…かな?

そして、私は少し強引に試着室へ入れられた。

稲葉 陽葵
着替えた〜?

違う……


今までの私とは全然違う!



なんだか、大人っぽくて。


これなら、少しは楽に彪翔先輩の隣を歩けるかもしれない。


稲葉 陽葵
ねぇ〜!聞こえてる〜!?
桜木 菜乃花
あ、うん!

私は扉を開けた。
稲葉 陽葵
わぁ!可愛い〜!
桜木 菜乃花
私、これにする!

それから、私たちはレジへ向かった。






桜木 菜乃花
ひーちゃん!本当にありがとう!
稲葉 陽葵
お礼なんていいから〜!明日、頑張ってね?
桜木 菜乃花
うん!

この服を無駄にしないように、可愛い女の子になれるように頑張らないと。

稲葉 陽葵
じゃあね〜!
桜木 菜乃花
バイバイ!

私は紙袋を揺らし、スキップをしながら帰った。

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