はぁ……
紗月とは、どうしたら話せるんだろう。
最近はそのことばっかりを考えてて、みんなからも元気がないと言われる。
その度に紗月が私にとって、どれだけ大切な人だったのかを実感した。
だけど……
中々勇気を出せず、会話も本当に少なくなった。
モヤモヤした気持ちが晴れない。
そんな私の気持ちとは裏腹にピコンッと軽やかな音をたてて、スマホがなった。
玲奈ちゃんからだ。
『菜乃花ちゃん!今日、パンケーキ食べに行かない?』
パンケーキ……?
『最近、元気ないからさ!一緒に行こうよ!』
玲奈ちゃんはこんなにも私のことを気遣ってくれてる。
たまには……いいかな。
『いいね、行こう!』
それからメッセージのやり取りをして、午後の2時から近くのカフェに行くことになった。
服、どうしよう……
赤いニットのようなトップスにデニムのワイドパンツを合わせてみる。
これいいかも!
それから私は身支度を済まして外に出た。
爽やかな空気だな。
快晴だ。
心地よい風を切りながら私はカフェへと向かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。