"本当に付き合わない?"
い、今?
かも……ってどういうこと?
何この質問攻め……
頭が追いつかない。
明後日までに返事しないといけない……
私が彪翔先輩と付き合う……なんて想像すらできない。
どうしよう。
あ、こういう時は紗月に……
いや……私頼りすぎかな?
でも、相談したい。
私はスマホを持ち、紗月とのトーク画面を開く。
『紗月、相談があるんだけど……』
そうは打ったものの、なかなか送信ボタンに指を当てれない。
色々な不安が押し寄せてくる。
自分のことなんだから自分で決めないとだよね……
私は削除ボタンを押した。
今日と明日。
よく考えよう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!