最近はいつもこんな感じ。
紗月の気持ちを聞こうとしても、用事とか部活とかで中々話させてもらえないのが現実。
はぁ……
彪翔先輩も最近は忙しいらしく、あまり連絡も取れない。
別れた……方がいいのかな。
玲奈ちゃんも忙しそうだなぁ。
委員とかもしてるし、部活も大変そう。
しょうがない。
今日は一人で帰るか。
この声は……
嶋本さんだ。
嶋本さんは気持ち悪い笑みを浮かべながらそう言った。
そして嶋本さんは甲高い笑い声を廊下に響き渡らせた。
いいことって言っても、どうせ変なことを言い出すんでしょ。
そう言い残して、軽やかなステップを踏みながら向こうへ去っていく。
何かいいことでもあったのか……
気味が悪いな。
私はそのまま家に帰った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。