佐藤 side
雛「 ごめんね 、シンメにも言えないことの
1つや2つはあるんだよ 」
そう言ってステージに向かったあなた 。
シンメって … 、なんでも
相談できる相手じゃないんだ 。
俺 、そんな頼りなかったかな 。
4年も俺が後輩だから話づらいのかな 。
俺がもっと早く事務所に入ってれば ……… 。
いろんな思いが頭の中をループする 。
「 … 勝利くん ?どうしたんですか ?」
『 … あ 、那須 』
自販機の前でぼーっとしてた俺に声をかけてきたのは
財布を持った那須雄登だった 。
那「 なんか元気ないですけど … 」
『 いや 、大丈夫 笑
ちょっと考え事してただけ 』
那「 … 俺 、後輩ですけど一応
話聞くことぐらいはできますよ ?」
………… なんか那須も大人になったよなあ
とか時々思うよねうん ((
俺は自販機の近くにあった椅子に腰掛けて
これまでに起きたことを全て話した 。
那「 そうだったんですか … 」
『 やっぱり先輩が後輩に頼るって
なかなか難しいよね …… 』
那「 でも俺 、あなたちゃんの気持ちも
わかると思います 」
『 え ?』
那「 俺 、シンメ龍我なんですけど 」
『 ああ 、俺と一緒の名字の 』
那「 あ 、はい 笑
俺と龍我だと俺の方が1学年上だし
俺の方が2ヶ月だけなんですけど先輩なんですよ 」
『 へ〜 … 』
那「 だから頼りづらいと言うよりかは
後輩に心配させたくない ?って言う
気持ちが強いんですよね 」
『 迷惑かけたくない 、的な 』
那「 はい 、そういうことです 」
初めて知った先輩側の気持ち 。
俺には迷惑かけていいのに 。
シンメのことぐらい心配させてよ 。
『 那須がさ 、具合悪くなった時って
龍我くん何してくれてた ?』
那「 俺が具合悪くなった時ですか ?
ん〜 … 、そっとしといてくれたり 、
自然にスポドリ置いてあったり 、
普段の龍我からは想像できない事してますね 、笑 」
『 ツンデレか 、笑 』
那「 いや〜 、もーそこがまた可愛いんですよね 」
龍「 那須ーー !!出番 !!!」
那「 はーい !!じゃあ勝利くん 、あなたちゃんの
風邪 、頑張って治してくださいね 笑
あなたちゃんが具合悪いと俺も悲しいですし 」
『 え 、那須 、あなたが風邪だって知って … 』
那「 那須雄登の勘です ( キラン 」
『 … ふっ 笑 』
那「 嘘です 。話的にそんなんかな〜って思って !」
それじゃあ !!と言いながら走り去っていく那須 。
さて 。じゃあ俺もあなたのところ行きますか 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!