第5話

期待
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2018/08/29 04:33
教室に戻って机と椅子を元の場所へ置く。
その時の私の額にはものすごい汗が。
パク・ティナ
お疲れ様ぁ〜!
パク・ティナ
うわっ!汗ベッタリじゃん!
女子
きったねぇ!近寄らないで!
いやいや。近付いて来てるのあんならだろ。
本当に気が小せぇ奴らだよ。




ガラガラ———————
教室のドアが開いてキム・テヒョンが入ってきた。
女子
キャァァァ!!!
パク・ティナ
テヒョン君おはよぉ♡
キム・テヒョン
え?あ、うん。おはよ。
さっきとの性格の変わり具合。
女って怖いわ。
まぁ。私も女だけどね。



何人かの男子が私の机にきた。
男子
明日提出の数学の宿題やっといて。間違えたら殺す。
机に置かれたのは何冊かのノート。
女子
っあ。私も〜!
次々に私の机に積み上がるノート。
こんなのいつもの事。
残念ながら私は間違える事がない。
あんたらに殺されるなんてごめんだよ。
パク・ティナ
テヒョン君もアイツにノート渡せばやってくれるよぉ!!
いいよ。置け置け。

そんでさっさと席戻れ。
キム・テヒョン
何で?
キム・テヒョン
宿題くらい自分でやるよ。そんな俺頭悪くねぇし。
パク・ティナ
で、でもさ!面倒くさいじゃん?私だって他の勉強したいからさっ!
初めてティナが動揺してる。
キム・テヒョン
そんなの皆一緒でしょ?面倒くさいからって全部あの子に押し付けるのは良くないよ。
ティナは悔しそうな顔をして自分の席に着いた。
そしてどんどん私の机から自分のノートを取っていき、皆席に着いた。
キム・テヒョン。



見直した。
ティナを黙らせるなんて正直凄い。
まぁ。あんたがイケメンだから出来たことだけどね。











昼休憩——————————————
キム・テヒョン
ねぇ。屋上来てくれない?
私の方へ来た。
教室の中にいた奴が全員こっちを向いた。
何でですか。
私はキム・テヒョンを睨みつけた。
キム・テヒョン
話したい事があるから。
どこか真剣な表情だ。
周りからコソコソと聞こえる。
あぁ。もうやだ。
嫌です。
『言うと思ったよ』みたいな呆れ顔をして、アイツは私の手を取った。
無理矢理連れて行かれる。
やめて。何の真似?
キム・テヒョン
何の真似でもないよ。
ふざけないで。
離して下さい。
キム・テヒョン
嫌だ。
マジで離して。
あんたは話したい事があっても私はあんたと話したくないんだよ。
その後も一生懸命抵抗したが男の力をなめていた。
いくら手を振り回しても取れない。
なんなの。
そんな事してるうちに屋上へ着いてしまった。
屋上は誰もいなかった。
離して!
ようやく離してくれたけど怒りが収まらない。
キム・テヒョン
名前…知らない。
知らない方がいいです。
知っていても意味がない。
キム・テヒョン
教えて。
目を合わせて来たアイツはさっきよも真剣な表情だった。
……あなた。
言うしかなかった。だってあんなに真剣に見つめられたんだから。
キム・テヒョン
そっか!
キム・テヒョン
お昼食べよっか!
急に明るくなった。
さっきの真剣な表情はどこ行ったの?
本当に分からない。コイツが何をしたいか。何を考えてるのか。
話があるんじゃないんですか?
キム・テヒョン
お昼食べながら話す!
『頂きます!』と大きい声で叫んでたべはじめた。
凄い美味しそうな顔して。
さっきはありがとうございます。でも今後あんな事しないで下さい。
キム・テヒョン
何で?
何で…何でって言われても。
何でもです。
そこから無言になった。
数分ぐらい経ってようやくアイツが口を開けた。
キム・テヒョン
ねぇ。
はい。
キム・テヒョン
あなたってさ。虐められてる?
あぁ。やっぱり。分かっちゃったか。
本当は気付かれたくなかったけど無理もない。
あんな事されてたの見たんだから。
……はい。そうですよ。
キム・テヒョン
そっか。
どこか悲しそうな目で私を見ていた。
そんな目しないで。
私は虐められていていいんだから。
もう。私に近づかない方がいいですよ。というか近づかないで下さい。
キム・テヒョン
…嫌だ。
嫌だじゃない。本当にやめて。
これ以上虐めがキツくなったら困る。
キム・テヒョン
あなたこそ無理をしないで。俺が守ってやるから。
何なんだよほんと。
そんな事出来るわけない。





でも心の中で少し期待している自分がいた。
そうですか。



なんか。少し気持ちが軽くなった。
味方がいるって事を思うと。

























本当に虐めは無くなるの?
信じてもいい?その言葉。

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