教室に戻って机と椅子を元の場所へ置く。
その時の私の額にはものすごい汗が。
いやいや。近付いて来てるのあんならだろ。
本当に気が小せぇ奴らだよ。
ガラガラ———————
教室のドアが開いてキム・テヒョンが入ってきた。
さっきとの性格の変わり具合。
女って怖いわ。
まぁ。私も女だけどね。
何人かの男子が私の机にきた。
机に置かれたのは何冊かのノート。
次々に私の机に積み上がるノート。
こんなのいつもの事。
残念ながら私は間違える事がない。
あんたらに殺されるなんてごめんだよ。
いいよ。置け置け。
そんでさっさと席戻れ。
初めてティナが動揺してる。
ティナは悔しそうな顔をして自分の席に着いた。
そしてどんどん私の机から自分のノートを取っていき、皆席に着いた。
キム・テヒョン。
見直した。
ティナを黙らせるなんて正直凄い。
まぁ。あんたがイケメンだから出来たことだけどね。
昼休憩——————————————
私の方へ来た。
教室の中にいた奴が全員こっちを向いた。
私はキム・テヒョンを睨みつけた。
どこか真剣な表情だ。
周りからコソコソと聞こえる。
あぁ。もうやだ。
『言うと思ったよ』みたいな呆れ顔をして、アイツは私の手を取った。
無理矢理連れて行かれる。
ふざけないで。
マジで離して。
あんたは話したい事があっても私はあんたと話したくないんだよ。
その後も一生懸命抵抗したが男の力をなめていた。
いくら手を振り回しても取れない。
なんなの。
そんな事してるうちに屋上へ着いてしまった。
屋上は誰もいなかった。
ようやく離してくれたけど怒りが収まらない。
知っていても意味がない。
目を合わせて来たアイツはさっきよも真剣な表情だった。
言うしかなかった。だってあんなに真剣に見つめられたんだから。
急に明るくなった。
さっきの真剣な表情はどこ行ったの?
本当に分からない。コイツが何をしたいか。何を考えてるのか。
『頂きます!』と大きい声で叫んでたべはじめた。
凄い美味しそうな顔して。
何で…何でって言われても。
そこから無言になった。
数分ぐらい経ってようやくアイツが口を開けた。
あぁ。やっぱり。分かっちゃったか。
本当は気付かれたくなかったけど無理もない。
あんな事されてたの見たんだから。
どこか悲しそうな目で私を見ていた。
そんな目しないで。
私は虐められていていいんだから。
嫌だじゃない。本当にやめて。
これ以上虐めがキツくなったら困る。
何なんだよほんと。
そんな事出来るわけない。
でも心の中で少し期待している自分がいた。
なんか。少し気持ちが軽くなった。
味方がいるって事を思うと。
本当に虐めは無くなるの?
信じてもいい?その言葉。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。