どんどん教室に人が増えて来る
…きた。
去年から同じクラスで私の虐めの元となった人物。
パク.ティナ
あんたには沢山お世話になったね。
あんただけは許さない。
私の兄の自殺の原因…
去年お前の勝手な噂で、私の兄は命を投げた。
人って本当に残酷だよ。
ただの噂で人が殺せるんだもん
いつか…この手で…
私の机に片足を乗せた
まただ。めんどくさい。
十分過ぎるほど聞こえてるよ。
けど、
言っとけ勝手に。
私は意地でも学校には来るから。
少し経つとドアが開いた。
先生だ。
全員文句を言いながら座る。
教室が一気にうるさくなった。
女子がもっとざわつき始めた。
転校生…どうでもいい。
でも可哀想な転校生。
こんなクラスに来た時点で性格が変わってしまうわ。
どいつもこいつも虐め虐め。
可哀想しか思えない。
転校生らしき人が教室に入って来た
女子の悲鳴がさらに大きくなる
入って来たのは超絶美男子。
同じ人間とは思えないほどの整った顔立ちだった。
四角に笑った笑顔は皆を魅了した。
これからの日常が少し心配だ…。
私は彼から目を離し、教科書を見る。
『死ね』『消えろ』
そんな文字が教科書にマッキーで書かれている
死なねーし、消えねーよ。
やめて。来ないで。
私の隣は誰もいない。
誰も私なんかと隣になりたくないから。
私だって誰も隣になりたくない。
教室に響く女子の声。
うるさい。
テヒョンが指差したのはティナの隣。
良かった。
私はまだ平和に過ごせそう。
しかも私の席は一番後ろ。
すごく安心。
関わりたくもない。
女子のボスを煽てるクラスメイト。
なんて可哀想な人間達。
なんか、段階早くない?
隣の席に座っただけじゃん。
頭おかしいんだね。
勝手に青春送ってくれ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。