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第40話

夜話
185
2019/01/26 23:20
ラユロ
なんでもっと早く
声かけてくれなかったの?!
ニマナト
いやぁ…ラユロの声が綺麗だったから
ラユロ
お世辞なんか聞きたくない!
とびっきり無茶な言い訳を聞きたい。
そう思ったのに帰ってきたのはお世辞一つ。
…呼び出した身で怒る権利なんてないけどさ…
ニマナト
そ…それはそうと、
ラユロはなんでこんな山奥に?
ラユロ
…1人で居たいと思ったの。
でもいざなってみると…寂しかった
ニマナト
そう…なんだ。
でもなんで僕?一応ライバルなんだけど
ラユロ
…そ…そうだよね…嫌…だったよね
そうだった
ニチは私とライバルで
…そもそも私がニチと会ったきっかけは
ニチの私への恨みだった。
今まで…もしかしたら今もなのかもしれないけど
恨み続けてた相手に頼られても迷惑だ。
…でも。アロタに頼れない今
頼れるのはニチぐらいしか居なかった。
…交友関係の狭い自分を恨みたい
別に、連絡先は何回も交換した事はある
大体は記者に売るか頼まれて仕方なく。
迷惑メールが嫌で何回も変えた
その度に嫌な思いして…でも
『今度こそ』って…
ニマナト
嫌…じゃないよ。
ラユロ
…え?
ニマナト
嫌じゃない。別に。
驚くことしかできなかった私に
ニチは言葉を続けた
ニマナト
たしかに、氷の上のラユロは
ライバルとして思ってしまう。
ニマナト
でも。
ニマナト
プライベートにまでそんなこと
持ち込んでたら人生楽しくないでしょ
ラユロ
あ…りがとう
アロタ以外にもらったのは初めてだった
温かい言葉
頬を伝う涙さえも愛しいぐらい温かい
ニチが居てくれてよかった
初めてほんとうの女の子の友達が出来た。

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