三人が帰ってからは
アロタが来て、
今後の予定について話し合った。
引っ越しはアロタだけで終わらせてくれたらしい。
ひとりっきりの病室で呟く。
来週には退院できるようだ。
落ち込んでばっか。
迷惑ばっか。
昔、両親がまだ優しかった時、
アロタと一緒に山に遊びに行って、
少し古い小屋に入って遊んでたら、
小屋が壊れて…
その時も、アロタは私を庇って、
…多分、私が怪我をしてしまったら
競技ができなくなってしまうからだと思う。
それでも…助けてくれたのには変わりなかった
明日で退院…
シーズン中の突然の入院で、
世間は大騒ぎになっているのを、
ラユロはまだ知らない…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!