今はアロタとあまり会話をしたくない
家はアロタが居る
…ちょっとぐらい…
そんな囁きが僕を蝕んで…
メディアを避けるために
色々な場所に家がある。
別に逃げるわけでは無い
《一人になりたい》それだけ。
ほとんどの家は都心に集中している
どれも人と関わる場所だ。
…そんな中で人と関わりにくい家は一つだけ
今は夕方の6時。
8時には着く…大丈夫かな。
時間をかけてでも今の私は人と関わりたくない
それほど今の状況は大変なのだ。
明日はちゃんと飛ばなければ
大会までに元に戻さなければ
きっと…私の居場所はなくなる
アロタもニチもみんな…
《私を置いてくんだよ…》
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。