第11話

なの……?
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2020/12/27 08:12
10分ぐらい経ってやっとなのは落ち着いた。
目が真っ赤だ。
なにかを伝えようとしてくれてるんだな……。
わたしにはそう分かった。
遥陽菜乃
遥陽菜乃
あ、あのね……!
遥陽菜乃
遥陽菜乃
迷惑って思うかもしれない……けどやっぱり伝えたいの……
遥陽菜乃
遥陽菜乃
聞いてくれる……?
鈴鹿鳴月
鈴鹿鳴月
うん、もちろんだよ……!
遥陽菜乃
遥陽菜乃
ありがと……
遥陽菜乃
遥陽菜乃
わたしね……?なつちゃんのことが好きなの
鈴鹿鳴月
鈴鹿鳴月
(……!)
予想外だった。
衝撃だった。
なのはあきのことを好きなんだって思ってたから。
ううん、それだけじゃない。
むしろそっちより……
"同性"のなのが"同じ性"の私を好きって言ってくれたこと、だった。
鈴鹿鳴月
鈴鹿鳴月
……わたし女子だよ……?
ぼそっと言った。
よく考えたらこんなこと言ってはいけなかったとおもう。
遥陽菜乃
遥陽菜乃
……ごめんねこんなこと唐突に
でも……好きなの……女子のこと好きになったら迷惑だよね
女の子同士だなんて嫌だよねごめん
遥陽菜乃
遥陽菜乃
迷惑だったら友達も幼なじみも何もかもやめていいから……
なのはドアをバタッと開けて出ていってしまった。
鈴鹿鳴月
鈴鹿鳴月
なの……。
声になってないような空気みたいな声は届かなかったみたいだ。
なののこと追いかけることができなくて背中を見つめるしかできなかった。

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